2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜由来間葉系幹細胞の眼表面疾患モデルにおける効果
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16K11331
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐竹 良之 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60385143)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔粘膜 / 間葉系幹細胞 / 眼表面再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系に属する細胞へ分化する能力を持つ間葉系幹細胞は様々な組織でもその存在の報告がなされており、近年、再生医療でも注目されている。我々はこれまでに、口腔粘膜の上皮下組織から間葉系細胞を分離・培養し、解析を行ってきた。この口腔粘膜由来間葉系細胞は間葉系細胞へ分化するだけでなく神経細胞への分化も可能であり、神経堤関連因子(CD49d、CD56、PDGFRa)の発現も認められたことから、神経堤由来として知られる角膜実質細胞への分化も行ってきた。分化誘導後において角膜実質で特異的なケラトカンも発現することがわかってきた。これらのことから、角膜への応用が期待される。本研究の本年度において、我々は眼表面疾患モデルにおける細胞治療の効果を調べるため、細胞移植条件の検討についても行ってきた。移植後の細胞を追跡するため、まずMRIコントラスト造影剤として使われているSPION(Supper Paramagnetic Iron Oxide Nanoparticles (Fe3O4:四酸化三鉄))でラベル可能かどうか、培養細胞で検討した。その結果、SPIONは培養中に細胞に取り込まれ、鉄の染色で使用するベルリンブルーで染色することが可能であることが解ってきた。また、SPIONでラベルした細胞をウサギ結膜下に投与し追跡可能かどうかを観察するため、投与後の組織を回収し、組織の観察を行った。その組織中にベルリンブルーで染色される投与された細胞が存在し、生着していることが確認できた。今後は眼表面疾患モデルにおいて細胞を投与し、眼表面への効果を観察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞のラベル条件ならびに移植条件等が検討することができた。次年度においては眼表面疾患モデルにおいて検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに動物モデルの作成ならびにhOMSCsの生着向上のための移植法の開発を行って、hOMSCsの眼表面における影響について経時的に観察する。組織学的解析においては、投与後28日において家兎またはマウスの角膜を摘出し、凍結包埋する。組織学的観察はヘマトキシリン・エオジン染色を行って、移植したhOMSCsの存在を確認するため、SPIONを鉄の染色で使用するベルリンブルーで染色を行う。炎症細胞に対する影響を観察するため、CD45、CD3、CD4、CD11cと行った表面抗原を用いて免疫組織学的に観察も行う。また、mRNAレベル、タンパクレベルでの解析では、投与後28日において家兎またはマウスの角膜を摘出の際、組織の一部をmRNAレベル、タンパクレベルでの解析を行うため分取し、それぞれのサンプル調整を行う。hOMSCsの影響を観察するため、免疫調節系サイトカイン( TNF-a, MIP-1a, MCP-1)、抗炎症性サイトカイン(TGF-b)、血管新生関連分子(VEGF、MMP-2、TSP-1)などの測定をReal-time PCRまたはELAISA等を用いて観察する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究において培養関連の試薬の節約を行うことができたため、多少の次年度使用額が発生しました。この分を次年度においては動物実験で使用する試薬等に合わせて使用する予定である。
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