2017 Fiscal Year Research-status Report
株化視細胞前駆細胞を用いた杆体細胞錐体細胞分化機構の解明
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16K11334
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生医学 / 視細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はマウス ES細胞とiPS細胞から安定した株化網膜前駆細胞を樹立した。 そのうちの一部の細胞株は視細胞前駆細胞としての性質を持ち、種々のケモカインに反応して杆体視細胞と錐体視細胞へと分化する。検討した中では、発生に関わる事がよく知られたケモカインSDF1とその受容体が視細胞分化に重要に関わっていた。 別のグループの細胞株は優先的に網膜神経節細胞に分化する。その分化機構を転写因子レベルとエピジェネティック調節のレベルで解析している。種々の濃度のSDF1を添加して、経時的に細胞株を回収後、次世代シークエンサーを用いて各細胞の全転写パターンを分析した。現在も解析は続いているが、特定のmRNAが杆体視細胞への分化では関与しており、逆に錐体視細胞への分化では当該mRNAが発現しないことを見出した。同様に一部のmRNAは錐体視細胞への分化には関与するものの、杆体視細胞への分化では当該mRNAが発現しないことを見出した。 これらのmRNA発現が杆体視細胞と錐体視細胞へとの分化原で一義的、あるいは原因的な役割を果たすのか、あるいは細胞分化に伴い二次的に出現するのか、その検討を行っている。 具体的にはこれらの情報に基づき眼組織でのそれらの蛋白の役割を免疫組織染色で解析している。これらの Bioinformaticな解析により神経節細胞や視細胞の分子レベルでの関連を、さらに眼発生の分子機構の理解が可能になると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーを用いた全RNA解析は順調に終了している。現在、候補として同定されたmRNAの発現を専用の解析ソフトを用いてin silicoでの検討と共に組織学的にも検討するべく抗体等の入手を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
いくつかの興味深いmRNAが同定されてきた。 今後はそれぞれの遺伝子の視細胞分化における役割をin vitro、in silicoのみでなく、正常マウスさらに、KOマウスを視野に入れて解析を続ける。
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Causes of Carryover |
研究は順調な形で進行している。 研究経費の使用額もほぼ想定通りであるが、3万円余の少額の未使用分が算定された。 次年度に合わせて使用するが、研究計画に大きな変更はない。
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Research Products
(1 results)