2017 Fiscal Year Research-status Report
Direct reprogrammingを用いた短腸症候群の新規治療法の開発
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16K11356
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, 助手 (50553103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 武史 日本大学, 医学部, 助教 (20568539)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 脱分化脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度においてAdipoq-Cre マウスとROSA26-tdTomato マウスの繁殖とともに、交配して生まれたAdipoq-Cre / tdTomatoマウスを樹立することで、脂肪運命が追跡可能なマウスを確立した。本年度は、この脂肪運命が追跡可能なマウスを用いて腸管炎症モデルマウスを作製し、腸管障害に対し周囲脂肪組織(腸間膜脂肪組織)の脂肪細胞が、再生への寄与の有無を確認した。 腸管障害を惹起する方法としては、化学物質による炎症を誘発する方法である、デキストラン硫酸ナトリウム(以下DSS)の経口投与法、2,4,6-トリニトロベ ンゼンスルホン酸(以下TNBS)の注腸投与法のほか、SCIDマウスに対してC3Hマウスの脾臓から抽出したeffecter Tcellを腹腔内投与することによる免疫学的炎症惹起法、IL10欠損マウスを作製する遺伝子改変法などが存在するが、本実験では、化学物質による炎症を惹起するDSS飲水法を用いた。 脂肪運命の追跡が可能なマウスに対し5%DSSを1週間、自由飲水にて投与し、腸管障害部位に対する脂肪細胞の関与を組織学的に検討したところ、上記条件では腸管再生に対する脂肪細胞の関与は見られなかった。 今後はDSS飲水の投与期間や、組織学的評価を行う時期を検討することで、腸管障害部位に対する周囲脂肪細胞の関与が強く表れる時期を図る。また、TNBS注腸法も並行して行い同様に評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
5%DSSを1週間、経口投与では、腸管障害部位の腸管再生に対する脂肪細胞の関与は期待通りに見られなかった。 現在投与期間、観察の時期を検討している。 我々はすでにAdipoq-Cre マウスとROSA26-tdTomato マウスの繁殖とともに、交配して生まれたAdipoq-Cre / tdTomatoマウスを樹立することで、脂肪運命が追跡可能なマウスを確立ているが、それぞれのマウスの繁殖及び交配には一定の時間がかかるため、上記の条件検討に時間を要している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はDSS飲水の投与期間や、組織学的評価を行う時期を検討することで、腸管障害部位に対する周囲脂肪細胞の関与が強く表れる時期を図る。 また、TNBS注腸法も並行して行い同様に評価する。 周囲脂肪組織から腸管障害組織への関与が証明されたら、その後は腸管周囲脂肪組織(腸間膜脂肪)への遺伝子導入を検討する。 胎生期の腸管発生にかかわる遺伝子として挙げられる Cdx1, Cdx2, Sox17 などを導入する。マウス DFATに導入された遺伝子は、腸管粘膜にマウス DFAT が移動した際に発現することが望ましいため、導入した遺伝子の発現をテトラサイクリンの刺激で on-off可能な tet system を用いる。
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