2016 Fiscal Year Research-status Report
インプラント型自己細胞再生軟骨を用いた小児気道再建に関する研究
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16K11359
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渕本 康史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40219077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古村 眞 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10422289)
黒田 達夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60170130)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気管再生 / インプラント気管 / 大動物 / PLLA / FGF / パッチグラフト |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタの耳介軟骨から分離した軟骨細胞は培養により急激に増殖すること、ならびにその培養細胞をpoly-L-lactic acid (PLLA)を足場としてヌードラットの皮下に移植してインプラント型の軟骨細胞を作成することができることを確認している。 ブタのインプラント型気管軟骨の作成のためには耳介皮下よりも腹部皮下に移植した方が良いこと、ならびに移植時にbFGFを注入した方がインプラント型軟骨形成が促進されることを確認した。 耳介軟骨を培養し、培養軟骨と足場であるPLLA、bFGFとともに腹部皮下に移植して作成したインプラント型軟骨を耳介を採取したブタの気管1/3~1/2周径を切除し、パッチグラフトを行った。移植後5週で挿管後に気管支鏡検査、犠牲死後に病理組織検査を行った(N=3)。気管支鏡検査では内腔の狭小化を認め、病理組織では移植した軟骨はとぎれとぎれび軟骨をみとめるも炎症性の細胞浸潤ならびに瘢痕(線維化)の形成を認めた。以上の所見はPLLA(2社)に対して異物反応、炎症が惹起され瘢痕線維化が起こり、内腔が狭窄したと思われた。現在、11週で犠牲死更に長期に経過を観察するブタの作成を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インプラント型軟骨ならびに移植は、耳介軟骨採取→培養(4週間)→PLLAと皮下移植(4週)→気管パッチ移植、と非常に行程が複雑である。培養期間と皮下移植培養期間は決められているので日程調整が難しい。 大動物研究なのでケージ数が限られているため、同時に数頭のブタを行うことは困難である。 家畜ブタだと幼若ブタ(体重7~10kg)を使用しても軟骨細胞培養、更には皮下移植でのインプラント形成後に気管パッチ移植なので、移植後2~3か月以上で犠牲死を行っても体重は40~50kgとなり取扱いが困難となる。そのため長期研究にはマイクロミニブタを使用する必要があるが、マイクロミニブタは25万円/匹の費用がかかり高額となる。
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Strategy for Future Research Activity |
気管パッチ移植後長期(3か月や6か月、12か月)の経過をみて気管の内腔の開存度ならびに病理組織を評価してゆく。 3か月以上の長期フォローするためには体重、大きさから家畜ブタの使用は不可能で、高額ではあるがマイクロミニブタを使用してゆく必要がある。 足場にPLLAを使用するとPLLAに対する異物反応が起こり瘢痕狭窄を起こると考えられた。これは並行して行っている脱細胞他家気管のパッチ移植と比較して明瞭である。今後は足場としてPLLAとは異なる資材を使用する必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
もう1匹、インプラント型気管の移植を予定していたが、施行できなかった。 ブタ、ブタのエサ、麻酔、手術物品消耗品、PLLA、FGFの購入費用が残った形となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
経過観察期間を延ばした研究を行うために従来使用していた家畜ブタではなく、高額のマイクロミニブタを使用する予定である。
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