2018 Fiscal Year Research-status Report
活性化大網培養上清を用いた難治性創傷治癒に与える影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16K11362
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
高成 啓介 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80378190)
神戸 未来 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50597862)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 活性化大網上清 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
大網培養上清の回収: 大網の活性化は、Litbarg NOらの報告に従い、マウスの腹腔内にポリデキストラン粒子を注入して大網の活性化を行った。マウス腹部より大網を採取し、器官培養12日目の大網培養上清および活性化大網培養上清をそれぞれ回収した。
大網培養上清の特性解析:大網培養上清中に発現するmRNAやタンパク質を網羅的に解析するため、回収した培養上清からcDNA およびタンパク質を抽出し、DNAマイクロアレイおよびタンパク質アレイを行い、ACDC、PPARGなどの発現を確認した。また培養上清中のエクソソームを回収し、電子顕微鏡やフローサイトメトリーを行、CD9、63、81発現をする小胞を確認した。
動物モデルの作成:放射線潰瘍モデルは、Tsumano Tらの報告(J Plast Surg Hand Surg. 47(2):83-8,2013.)に従い、マウス下肢に放射線を照射し、放射線潰瘍を作成した。昨年までの20Gyでは創にばらつきがあり、創治癒自体にばらつきが有ったため、50Gyまであげて作製した。これにより創自体は安定したため、大網上清を潰瘍部に注入したが、死亡するマウスが少なくなく、さらなる改良が必要であると判断した。また、骨髄炎モデルは、Horst SAらの方法(Am J Pathol 181:1206ー11;1214,2012.)に従い、C57BL/6尾静脈に黄色ブドウ球菌6850株を投与した。昨年より継続して行っているが、モデルの安定化に現時点でも難渋している。神経欠損モデルは坐骨神経に5㎜の欠損を作成し、大網上清を含ませた人工神経を置換した。現在サンプル採取を待機している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
文献に従い放射線潰瘍モデルとして、C57BL/6の下肢に放射線を照射4週間後に5mmパンチで皮膚全層欠損を作成し、10日目を潰瘍モデルとした。昨年までに20Gyで行っていたが創治癒自体が安定せず、50Gyまで上げ潰瘍自体は安定してきたが、実験途中で死亡するマウスが出てきてしまい、モデルの確立に難渋している。同様に安定した骨髄炎モデル作成に難渋しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
放射線潰瘍モデル・骨髄炎モデルに関しては、引き続きモデルの安定化をはかり、実験を進められるようにしていく。神経モデルに関しては結果の解析を予定通り行う。その結果を学会発表・論文投稿していく予定である
|
Causes of Carryover |
動物実験モデルの安定化に難渋し、実験計画に遅れが生じており次年度使用が生じたため。 放射線潰瘍モデル・骨髄炎モデルの安定化をはかり、引き続き実験を進めるとともに、神経欠損モデルのサンプル採取及び解析を行う。
|