2016 Fiscal Year Research-status Report
動静脈奇形における新生血管の分子制御機構 ~病的血管はいかに新生するか?~
Project/Area Number |
16K11365
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (30529566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
橋川 和信 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90403237)
榊原 俊介 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50444592)
高須 啓之 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (40566022)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血管奇形 / 体表 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管奇形は先天性の血管性病変であり、特に動静脈奇形は軟部組織の醜状変形にとどまらず、筋・骨格系の変形、病変からの大量出血など組織破壊的となることもあり、日常生活に著しい制限を生じる。病変の多くは進行性であり、難治病変では進行を止める手段さえない場合がある。動静脈奇形を含めた血管奇形の病態生理および悪化の機序には不明な点が多い。われわれは本研究を通じて、血管奇形における新生血管の形成過程について,1.幹細胞の有無,2.Angiopoitetinの関与,3.機械刺激の関与の3つに焦点を当てて分子生物学的側面より評価し、本疾患の分類・診断基準作成の補助ならびに疾患治療の確立へ結びつけることを目的とした。われわれのこれまでの研究では,動静脈奇形由来血管内皮細胞の増殖能が正常動脈に比べて明らかに高い結果が得られた。この原因の一つとして未分化な細胞が正常動脈より多く存在することが推察される。臍帯血には造血幹細胞以外に間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell: MSC)や血管内皮前駆細胞といった幹細胞や前駆細胞が存在することが明らかとなっている。そこで,血管奇形を種々のMSCマーカーに関する検討を行う。また,Angiopoitetin(Ang)のうちAng1は血管内皮細胞と壁細胞の安定化を促す。一方、組織が低酸素状態にさらされるとAng2が内皮細胞と壁細胞の接着を抑制することで、内皮細胞が誘導され血管新生へと導く。体表の動静脈奇形におけるAngiopoitetinの関与を分子生物学的に検討する。 動静脈奇形悪化の機序として、外傷や不適切な部分切除が指摘されている。何らかの機械的刺激が、血管内皮細胞の発芽を通じて血管新生を生じる可能性が十分に考えられる。灌流培養でシェアストレスを変化させて細胞形態の変化やsprouting assayによる血管内皮細胞の発芽の程度を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
増殖因子検討の端緒として,動静脈奇形由来血管内皮細胞(AVMVEC)を単離培養し,mRNAを抽出した。同様に,正常血管由来の血管内皮細胞を単離培養し,マイクロアレイを施行て両者を比較検討したところ,PIEZO2とSELPで両者間に著明な差を認めた。今後,免疫組織学的な検討に加えて,リアルタイムPCRならびにウェスタンブロッティングで発現を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
増殖因子の免疫組織学的検討に加えて,機械刺激の関与については今年度に灌流培養で評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
手術で得られた標本が予想よりやや少なかったため,細胞培養のコストが当初計画より少なくなった。また,研究者自身が主に実験する機会が多く,人件費の拠出が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では,細胞培養に加え,灌流培養や免疫組織学的検討に必要な試薬の購入で大幅な予算が必要である。
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Research Products
(3 results)