2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11366
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
榊原 俊介 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (50444592)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (30529566)
高須 啓之 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (40566022)
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
藤井 美樹 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (80444602)
橋川 和信 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90403237)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | メラノプシン / 皮膚 / 光受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれはこれまでに皮膚の光受容に関する研究を行ってきた。現在までに、哺乳類では網膜の神経節細胞に発現が確認されているメラノプシン(OPN4)がヒト皮膚に発現していることを組織レベルおよび単離された細胞(線維芽細胞、メラノサイト、ケラチノサイト)において確認した。さらにこれらはセカンドメッセンジャーであるGnaqとも共役していることを免疫沈降実験で確認した。本研究課題ではこれらのシグナルトランスダクションがどの程度細胞内において変換され、それらがどのようは表現系を持つのか、ということに焦点を当てている。 昨年度はカルシウムアッセイを行い、OPN4感受性光を細胞に照射することで細胞はカルシウムイオンを取り込むことが明らかとなった。これにより皮膚細胞は光受容を行い、これを細胞内シグナルへと変換し、利用していることが強く示唆される結果となった。ただし、その表現形はどのようになるのか、については不明である。われわれはそこでOPN4が中枢で行っている役割、つまり、このOpsinは視機能には関連せず(すくなくとも脊椎動物では)、体内時計に関連することから、皮膚細胞においても体内時計を司るのではないか、と推測し、Per2およびBmal1といった時計遺伝子の発現量の日内リズム形成を探った。5日間の暗順応ののち、コントロールとしてデキサメタゾンを加えることで、細胞集団としての時計のリセットが確認された。次に暗順応をおこなった細胞に10分間の480nmの光照射を行ったところ、これら遺伝子の発現量の日内変動が形成されることが明らかとなった。 本結果により、皮膚の光受容は末梢性生体時計のリセットであることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時計遺伝子の解析まで行えた。これは研究開始当初に想定していたよりも大幅な進展である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、これらのデータのbrush upを行う必要がある。今回の時計の確認は線維芽細胞において行ったが、これらの現象が普遍的に他の細胞でも見られることを確認する必要がある。また、現在、本研究内容の公表にあたり国際誌への投稿を準備しているが、これを作成することも今後の方針である。
|
Causes of Carryover |
抗体や試薬などの再利用によりコストの削減を行ったこと、学会出張旅費を計上しなかったことによる。来年度は抗体の購入・細胞培養関連試薬の購入に用いる。
|