2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of therapies using frozen adipose tissue
Project/Area Number |
16K11375
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
去川 俊二 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (90324194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60210762)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 脂肪移植 / MCAM / 機械的処理 / 脂肪幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
吸引脂肪由来幹細胞(ASCs)は再生医療の細胞ツールとして、期待されている。しかし、ASCの細胞移植は酵素処理や培養が必要でなり、規制や安全性の問題があるため、まだ実用化は広がっていない。体積を増やしたい、形を変えたいなどの目的では脂肪移植が必要になるが、組織の機能の改善のためには幹細胞が重要であり、脂肪細胞は必要性が小さい。すなわち、脂肪組織ではなく、機械的処理を行い、容易に注射可能であるMCAMとして利用することで、その臨床応用の範囲が大きく広がることが期待される。機械的処理であるために、酵素処理や培養が必要であるSVFやASCと異なり、細胞加工品とみなされないために、法規制を受けることはない。 本研究では、世界初のヒト脂肪組織由来の微小細片化組織(MCAM)、すなわちASC細胞を含有する細片化脂肪組織の製造技術を最適化してその製造デバイスを開発するとともに、そのMCAMの治療材料としての有用性、安全性について、製造方法により異なる生産物の特性、機能を調べた。また動物実験モデルで検証した。MCAMは、minimal manipulationだけで製造されており、再生医療等安全化法の規制外であるため、簡便に臨床応用が可能であり、すでに欧州をはじめ海外で広く実用化が始まっている。 本研究により、製造デバイスにより、その生産物の機能が異なること、MCAMにより、糖尿病や放射線障害のモデルにおける創傷治癒遅延を改善できることが示唆された。その効果は、ASCの単独投与や、脂肪移植による効果と比較できるものであった。これらのことから、MCAMの臨床上の有用性が示唆された。
|