2018 Fiscal Year Research-status Report
新たな唇顎口蓋裂治療戦略の開発に向けた臍帯・臍帯血と手術余剰組織による組織再生
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16K11376
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬場 香子 北里大学, 医学部, 講師 (90327411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 安晴 北里大学, 医学部, 講師 (00210401)
武田 啓 北里大学, 医学部, 教授 (20197297)
杉本 孝之 北里大学, 医学部, 講師 (20365133)
熊澤 憲一 北里大学, 医学部, 講師 (60383618)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / 間葉系細胞 / 臍帯 / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
内容:初年度は、研究材料が凍結保存により安全性が損なわれないかを検討した。前年度は、胎児幹細胞と成人幹細胞の中間の性質を持ち柔軟な分化能を有する臍帯由来間葉系細胞(UC-MSCs)が分化誘導において共培養が有用となる可能性を推論し、UC-MSCsを骨髄由来間葉系細胞(BM-MSCs )および 軟骨細胞と共培養し、骨・軟骨分化能を検討した。今年度は凍結保存後の臍帯由来間葉系細胞と軟骨細胞を供培養し、分化誘導後に形成された軟骨組織の組織学的評価を行った。この結果、軟骨小塊の形成を確認し、特殊染色によりこの軟骨は線維軟骨であると判断された。また、長期凍結保存後の臍帯血由来多血小板血漿の成長因子含有量および細胞生化学的活性を確認した. 意義:本研究の結果は、凍結保存されたUC-MSCsが組織形成能を維持し、共培養がその分化誘導において有利に働くことが示唆するものである。また、凍結保存した臍帯血由来多血小板血漿の活性が維持されていることが確認できた。これらは、臍帯由来間葉系細胞と臍帯血由来多血小板血漿が凍結保存後も活用でき、共培養によって分化誘導を有利に進めることが可能であるといった意義を持つ。 重要性:臍帯・臍帯血由来の材料は出生時に採取するため臨床応用には凍結保存が必要である。また、細胞の負荷を最小限にした分化誘導は臨床応用時に安全性の面で有利である。本研究の結果は臨床応用にむけた治療法開発においてこれらの点で重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
”順調”と判断した理由は以下である。凍結解凍した細胞の増殖が当初の予想より遅く実験過程がやや遅延したが、前年度からの課題であった軟骨との共培養方法が確立した。そして形成された軟骨の組織的性質の評価が行えた。また、研究材料の一つである臍帯血由来多血小板血漿の凍結保存後の成長因子含有量と生物活性の研究結果を論文としてまとめ、成果をあげられた。そして本研究のこれまでの結果を3つの国内学会(5演題)と3つの国際学会(6演題)で発表できた。 ”おおむね”とした理由は、凍結解凍した細胞の増殖が当初の予想より遅く実験過程がやや遅延し神経細胞との共培養に関する実験に課題があるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
・軟骨で確立した共培養法を応用し、神経細胞と臍帯由来間葉系幹細胞の共培養法を検討していく。 ・凍結保存後の臍帯由来間葉系細胞の安全性の検討に関する結果をまとめ、論文として発表していく。 ・共培養で得られた培養液中の液性因子(エクソソーム等)の検討を行っていく。 ・現在の保存方法の安全性を再検討する。 ・共培養で形成された組織の安全性を検討する。
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Causes of Carryover |
実験に使用した細胞の増殖が当初の予定より遅かったため、まだ完了できていない実験がある。この実験の継続のために、次年度に必要物品を購入する必要がある。また、次年度に発表を予定している学会及び論文があるため次年度の予算が必要である。
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Research Products
(11 results)