2017 Fiscal Year Research-status Report
頭蓋縫合早期癒合症に対する低侵襲治療の開発:FGF2による早期癒合抑制効果の証明
Project/Area Number |
16K11388
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
塗 隆志 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40445995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80251544)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 頭蓋縫合早期癒合 / 治療 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は冠状縫合早期癒合を示すTwist heterozygous miceの冠状縫合にFGF2を作用させ、冠状縫合早期癒合の抑制を確認するものである。 早期癒合症の患者では縫合部切除後に、縫合部が再癒合することが確認されており、今回の研究の中では、冠状縫合の骨切りを行った部分にFGF2を作用させ、再癒合の抑制を確認することを一つの目標にしている。 われわれは2006年に同系統マウスを用いて、冠状縫合早期癒合がマウスの頭蓋成長にもたらす影響について研究を行った。そのマウスでは2週齢以降に冠状縫合の癒合が認められ、4週以降で野生型との間で形態上の有意差を認めた。本研究では同Twist heterozygous mouseにおいて冠状縫合の骨切りを行い、冠状縫合部にFGF2を作用させ、骨化を抑制することを目的としている。早期癒合抑制による成長への影響は、頭蓋骨CTの矢状断において成長曲線を作成し、それを2006年におこなったTwist heterozygous mouseの成長と比較することで評価することとしている。われわれが2006年に用いたmutantマウスは一旦継代が途切れてしまったため、今回受精卵から起こす必要が生じ、初年度は受精卵からTwist heterozygous mouseを起こす作業を行った。本年度はまずこのマウスにおいて、冠状縫合の早期癒合が生じていることをmicroCTで確認した。次に3周齢マウスを用いて冠状縫合部の切除モデル作成を行った。現在骨切りは問題なく行うことができ、冠状縫合骨切り(Suturectomy)モデルの作成方法が確立した。また術後4週齢以降で冠状縫合部の骨の再生を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルマウスの作成は順調に行えているが、初年度のほとんどを受精卵からマウスを起こすことに費やしたため、その遅れが現在にも影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は縫合部の骨切りモデルを用いて、FGF2投与実験を野生型とTwist heterozygous miceに行っていく。
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Causes of Carryover |
初年度より研究の進捗が遅れており、予定していたFGFなどの薬品の購入を行わなかったため、繰越金が生じた。次年度ではFGFの投与研究を予定しており、繰越金を使用する予定である。
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