2016 Fiscal Year Research-status Report
多能性間葉系幹細胞であるMuse細胞による重症敗血症治療に向けた研究
Project/Area Number |
16K11393
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久志本 成樹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50195434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 大介 東北大学, 医学系研究科, 講師 (30455844)
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 敗血症 / 急性期侵襲病態 / 間葉系幹細胞 / Cell-based therapy / Muse細胞 / 傷害関連分子 / alarmins |
Outline of Annual Research Achievements |
I. 敗血症患者を含む急性期侵襲病態患者において、末梢血中に動員されるMuse細胞動態とその多能性幹細胞機能、および臨床病態との関連を検討することを目的とした。 1) 末梢血へのMuse細胞動員評価:敗血症患者ではSSEA3抗体の赤血球との結合が強く生じるためMuse細胞の同定、単離等が困難であることから、健常者および敗血症以外の急性期侵襲病態患者における末梢血Muse細胞動態とその特性を検討した。末梢血中から赤血球を除去、単核球のみ選択し、SSEA3抗体で染色しヒト末梢血Muse細胞を分離した。健常者においては、末梢血全単核球中に占めるMuse細胞の割合は0%~0.2%にとどまるものであることが明らかとなった(ヒト新鮮骨髄においては約0.2%認められる)。侵襲病態患者によるpilotサンプル検討では、外傷急性期患者においては約0.07%と著明な増加は認められないのに対し、非急性期全身熱傷患者では約1%と著明な増加を示していた。急性期以降の皮膚再生時期とヒト末梢血Muse細胞の増加の関連が示唆される。 2) ヒト末梢血Muse細胞の多能性評価:末梢血Muse細胞では、多能性マーカーであるNanog/Oct4/Sox2の発現がSSEA3陰性単核球と比較して高率である。ケモカインマーカであるCXCR4も高く、遊走能も高いことが示唆される。 II. Iとともに、急性期侵襲病態の解明と重症度評価のために心肺停止蘇生後、敗血症、重症外傷などにおけるヒストンを中心としたalarminsに注目した病態解析を施行した。 心肺停止蘇生後において虚血再灌流反応での細胞傷害、細胞死をalarminsの重要性からヒストンを中心として解析を行っており、ミトコンドリア成分やHMGB-1などのalarminsや臨床データである重症度スコアやDICスコアとの相関を認め、その役割を明らかにしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症患者におけるMuse細胞動態とその多能性幹細胞機能および臨床病態との関係を明らかにすることを目的として、敗血症患者におけるMuse細胞の血中動態評価と血中Muse細胞の単離、培養,機能解析による再生細胞としての多能性評価、炎症および免疫学的特性評価を評価することを予定した。 Muse細胞はSSEA-3陽性細胞であり、本抗原により非Muse細胞との分別が可能であることからSSEA-3 rat IgM antibodyを用い、 flow cytometryによりMuse細胞の定量的評価を施行した。。しかし、敗血症患者末梢血を用いた検討では、SSEA-3抗体の赤血球との結合が強く生じることからMuse細胞の同定、単離等が困難であることが明らかとなった。 そのため、健常者および非敗血症性急性期侵襲病態患者を対象とした末梢血による評価を施行しており、予定した十分な研究進捗が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗と成果に基づき、健常者および健常者および非敗血症性急性期侵襲病態患者を対象とした末梢血による評価十分に行う。さらに、末梢血に限定することなく、組織においてMuse細胞が存在できるのか、その性質、動態を検討することを計画している。 急性期侵襲病態の解明と重症度評価のためのヒストンを中心としたalarminsに注目した病態解析は順調であり、臨床病態との関連を明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
本研究では臨床検体を用いるが、研究実施施設の移転が2018年の予定のために購入を予定していた機器を次年度に延期したことによる。本年度の研究は適切に消耗品等に支出し、実施した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、本研究事業に必要であるディープフリーザーなどの高額機器購入を研究実施施設移転後に予定しており、そのために使用する。
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[Journal Article] Human Muse cells, non-tumorigenic pluripotent-like stem cells, have the capacity for liver regeneration by specific homing and replenishment of new hepatocytes in liver fibrosis mouse model.2016
Author(s)
Iseki M, Kushida Y, Wakao S, Akimoto T, Mizuma M, Motoi F, Asada R, Shimizu S, Unno M, Chazenbalk G, Dezawa M.
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Journal Title
Cell Transplant
Volume: 235
Pages: --
DOI
Peer Reviewed
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