2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research to prevent delirium in ICU: examination on effects of a newly-developed anti-insomnia drug, Suvorexant.
Project/Area Number |
16K11415
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
刈谷 隆之 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (90614404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉橋 清泰 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (50234539)
日野 耕介 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (40644638)
高橋 雄一 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (20336556)
大塚 将秀 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (40223870)
山中 竹春 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00325466)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | せん妄 / スボレキサント / 予防 / CAM-ICU |
Outline of Annual Research Achievements |
集中治療室(ICU)におけるせん妄が、死亡率、ICU入室期間・入院期間延長、医療費増加、長期精神的予後といった多くの問題に関連することが知られている。本研究の目的は、オレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサントのせん妄予防効果を、ICUにおけるせん 妄発症の高リスク群である心臓手術症例を対象に検証することである。 平成28年度:二重盲検無作為化比較試験のデザイン、研究体制の構築を行った。自施設ICUにおける心臓手術後のせん妄発症率を調査し、61.3%の結果を得た。より一般化された検証のため、多施設共同研究とすることとした。本学研究倫理委員会の承認を得た。 平成29年度:共同研究施設の募集のため日本集中治療教育研究会臨床研究委員会等でプレゼンテーションを行い、研究参加を希望する施設を得た。人を対象とする医学系研究に関する倫理指針の改正があり、研究プロトコールを改訂し、再度本学研究倫理委員会の承認を得た後、症例集積を開始した。 平成30年度:研究同意の取得が順調でないため、次年度の研究継続を模索し、共同研究者および本学次世代臨床研究センターと協議した。本研究は臨床研究法における特定臨床研究に該当し、次年度以降同法に対応して研究を継続することは、マンパワーから困難と判断した。12症例から同意を取得した。研究開始前に1例、研究開始後に1例の中止症例が発生し、10例をプライマリーアウトカム(ICU滞在中1度でもCAM-ICUによる評価でせん妄あり、となる症例の割合)の解析対象とした。せん妄は、スボレキサント投与群、プラセボ群で、5例中4例(80%)、5例中3例(60%)に観察された。また、セカンダリーアウトカム(CAM-ICU評価回数のうちせん妄ありと評価された回数の割合)は、スボレキサント投与群、プラセボ群ではそれぞれ、45回中19回(42.2%)、30回中7回(23.3%)であった。
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