2022 Fiscal Year Annual Research Report
The potential usefulness of orexin antagonists for sleep disorders and delirium in patients in the intensive care unit.
Project/Area Number |
16K11418
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
讃井 將満 自治医科大学, 医学部, 教授 (30424039)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | せん妄 / 睡眠 / オレキシン / スボレキサント / 集中治療 / 重症 |
Outline of Annual Research Achievements |
Phase 1であるICU患者におけるオレキシンの脳脊髄液中動態を評価する研究は、3例で検体を収集した。その後、適格基準を満たす患者の発生が乏しいため、この段階で終了とした。しかしながら、せん妄患者ではオレキシン分泌の日内変動が消失している可能性を示す結果が得られた。論文作成を完了し、投稿準備中である。Phase 2として、非侵襲的な睡眠モニタリング機能付きマット(眠りSCAN)、簡易脳波モニター(SedLine)の重症患者の睡眠モニターとしての可能性を探索する研究を行ない、両者の特性・限界を明らかにした(眠りSCAN:J Intensive Care. 2020 Feb 11;8:16.、SedLine:J Intensive Crit Care. 2023;9:007)。さらに、新たな簡易睡眠脳波計(Sleep Profiler 2)の可能性を検討し、予備的検討の結果を指導大学院生の学位論文の一部として発表した(http://id.nii.ac.jp/1561/00001027/)。さらに、スボレキサントが重症患者の睡眠を改善し、せん妄を予防する可能性を検討するため、まず単施設後ろ向き観察研究を行い、スボレキサントがのせん妄の減少と関連する結果が得られた(Psychogeriatrics. 2018;18:209-215)。次に、本研究、並びに近年の研究には、観察開始タイミングと曝露開始タイミングの前後関係が考慮されていない(immortal time biasの関与がある)可能性を発見し、新たな後ろ向き観察研究を行った。結果として、スボレキサントの予防投与にはせん妄発生効果がない可能性を示唆する結果が得られた(PLoS One. 2022 Dec 1;17(12):e0277916)。Phase 3として、スボレキサントを含めたICUにおける睡眠促進・せん妄予防プロトコルの有用性を検証する多施設前向き介入前後比較研究を行なった。睡眠促進・せん妄予防プロトコルの有用性を明確に示すことはできなかった。投稿準備中である。
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