2016 Fiscal Year Research-status Report
出血性ショック後臓器障害における分泌型microRNA・運搬体エキソゾームの関与
Project/Area Number |
16K11426
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 剛志 日本医科大学, 医学部, 助教 (20626270)
横田 裕行 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (60182698)
新井 正徳 日本医科大学, 医学部, 助教 (60267127)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 出血性ショック / 腸管リンパ液 / miRNA / エキソゾーム |
Outline of Annual Research Achievements |
外傷初期診療の進歩にもかかわらず、出血性ショック後に生じる多臓器不全による死亡率は依然高いままであり、その発生機序は未だ解明されていない。これまでの研究により、我々は出血性ショック後に生じる遠隔臓器障害の発生には、腸管血流の低下ならびに虚血腸管から腸間膜リンパ液内に産生される炎症性メディエータが深く関与していることを示してきた。しかし様々な炎症性メディエータが如何にして生理活性を保ったまま安定して遠隔まで運ばれるのかを説明するには至っていない。 そこで本研究では出血性ショック後の遠隔臓器発生には、虚血腸管から腸管リンパ液内に分泌され、標的組織で炎症の発現を調節するmicroRNA (miRNA)、およびmiRNAを封入し安定したまま遠隔標的まで運搬するエキソゾームが関与するとの仮説に基づき研究を行っている。miRNAは22塩基程度の蛋白に翻訳されないノンコーディングRNAであり、様々な疾患にて炎症をはじめとする生理活性物質の発現調整を調整する重要な役割を持つことが示されている。また、miRNAはエキソゾームに封入されることにより、細胞外に分泌されても体液内のヌクレアーゼにより分解されることなく安定して遠隔臓器の細胞まで移動でき、標的細胞内で機能を発揮すると考えられる。 初年度の研究では、まず健常ラット腸管リンパ液を用い、腸管リンパ液内にmiRNAが存在するのかを検討した。また、腸管由来のエキソゾームを作成し、腸間膜リンパ管から注入、追跡することによりどのような標的臓器に取り込まれるかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画に乗っ取り研究は概ね順調に進行している。研究はまず、健常ラットを用いた腸管リンパ液内および血液内miRNAのプロファイリングから開始した。健常ラット腸管リンパ液内にもmiRNAが存在すること、リンパ液内および血液内での発現の違いがあることが示された。また、腸管由来培養細胞から作成したエキソゾームを用い、健常ラットのラット腸間膜リンパ管からエキソゾームを注入・追跡することにより、エキソゾーム取り込み・標的臓器分布に関しても有益な結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に乗っ取り、引き続き研究を遂行する予定である。健常ラットでの実験結果をもとに引き続き出血性ショックにさらしたラット腸管リンパ液内miRNAプロファイリング、腸管由来エキソゾームの出血性ショック後臓器分布を調べる予定である。
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Causes of Carryover |
既存の試薬等を使用したため、本年度の支出は予定より少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に基づき試薬等の購入を予定している。
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Research Products
(2 results)