2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of myocardial ischemic preconditioning and SOCS3-CKO in myocardial ischemia reperfusion injury
Project/Area Number |
16K11432
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
永田 隆信 久留米大学, 医学部, 助教 (50535078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渡 一寿 久留米大学, 医学部, 助教 (00461434)
安川 秀雄 久留米大学, 医学部, 准教授 (60289361)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ischemic preconditioning / myocardial infarction / JAK-STAT signaling / SOCS3 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は心筋虚血プレコンディショニングと心筋虚血再灌流障害におけるJAK-STAT経路の制御因子であるSOCS3の役割について研究を行っている。 SOCS3はSTAT3により発現が誘導される標的遺伝子のひとつである。STAT3が活性化を受けると心保護に働くと同時に、SOCS3の発現が誘導され生存シグナルは強い抑制を受けてしまう。心筋炎等の病態ではこのSOCS3を欠損させる事でSTAT3活性化が増強され心保護が強く働き心筋障害が抑制される事が知られている 心筋虚血プレコンディショニングは、心筋が長時間の虚血に至る前の段階で、心筋を複数回短時間の虚血にさらす事で起こる心筋保護作用として知られている。急性心筋梗塞に対する緊急血行再建術が広く行われる現在は術後慢性期の心不全が増加傾向にありいかにこれを減らすかが重要な課題で、そのために心筋虚血プレコンディショニングが重要な役割を果たしている可能性がある。我々はマウス心筋虚血プレコンディショニング再灌流モデルを作成し、その障害の評価、メカニズム解析を行った。また心筋特異的SOCS3欠損マウスにても同モデルを作成し野生型と比較、検討を行った。 我々の研究結果では、心筋虚血プレコンディショニング後の心筋細胞でSTAT3の活性化を認め、JAK-STAT経路の活性化を確認する事ができた。しかしその活性化は一過性であった。心筋虚血プレコンディショニング後に心筋虚血再灌流障害を加えたところ、野生型マウスでは障害が抑制されておりプレコンディショニングによって見られた一過性のJAK-STAT経路の活性化による効果と考えられた。一方、心筋特異的SOCS3欠損マウスではさらに30%程度障害が抑制されていた。これは心筋特異的SOCS3欠損が心筋虚血プレコンディショニングの効果を増強し心筋虚血再灌流障害を抑制する事を示唆する結果であった。
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