2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11435
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
萩沢 康介 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 生理学, 助教 (50539244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武岡 真司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20222094)
鈴木 英紀 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30158977)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血液代替物 / 出血性ショック / 凝固障害 / 病院前治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
大量出血を伴う重症外傷患者に病院搬送中の早期から輸血を行うことが救命率を改善することが報告されている。我々が開発中の人工酸素運搬体(HbV)は出血性ショックのモデル動物の救命効果を有し、血小板代替物(H12-ADP-liposome)は低血小板性凝固障害を改善し、有用であることが示されてきた。本研究では、重症外傷にともなう大量出血時の蘇生輸血をHbVとH12-ADP-liposomeで代替することを目指す 本年度はHbVとH12-ADP-liposome併用の前段階として、出血性ショックに凝固障害を合併する病態において、早期からのHbV投与が止血凝固にどのように影響し救命するのかを検討した。 【方法】2.5㎏の雄性ウサギの大腿動静脈にカニュレーションし、400mlの脱血返血で血小板を分離し低血小板状態にする。肝臓に致死性の穿孔性injuryを作成。出血部位に何ら処置を加えず自由出血とした。出血から30分間、10分毎に出血量と等量の赤血球輸血、もしくはHbV投与、或いはPPPの補充を計3回繰返した。30分後に血小板(PRP)を投与し、止血率を比較した。30分後から止血までに出血した分を赤血球で補充し、急性期の予後を検討した。 【結果】 脱血後にHbは8.5g/dl、血小板数は50000/μLになった。Injuryからの自由出血に対して、PPP投与でHbは5g/dlで平均動脈圧は35mmHgとなったが、赤血球、HbV投与でHbは9g/dl、平均動脈圧50mmHg前後を維持した。PRP投与による止血率は赤血球群が100%、HbV投与群が87.5%、PPP群は25%であった。24時間後の生存率は赤血球群が83%、HbV投与群が75%、PPP群は0%であった。出血性ショックに凝固障害を合併する病態において、早期からのHbV投与は赤血球輸血と同様に止血凝固に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HbV投与は赤血球輸血を代替し、病院前治療に有用である可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、HbVとH12-ADP-liposome併用についての実験に移行する計画である。
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Causes of Carryover |
H12-ADP-liposome合成に遅延が生じ、一部の試薬の購入が出来なくなったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗は予定よりも早まっており、H12-ADP-liposome合成量を増加させる計画である
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Research Products
(3 results)