2017 Fiscal Year Research-status Report
歯周炎の誘導する早産発症過程におけるGalectin-3の役割に関する総合的研究
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16K11444
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮内 睦美 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 准教授 (50169265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 剛 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 准教授 (80379883)
占部 智 広島大学, 病院(医), 助教 (10403536)
古庄 寿子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (00634461)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯性感染 / 早産 / 歯周病原細菌 / Galectin-3 / 血清抗体価 / 胎盤細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊婦129人が歯周科を受診した。口腔内診査を行い、Periodontal Epithelial Surface Area(PESA)とPeriodontal Inflamed Surface Area (PISA)と歯垢中のPorphyrmonas gingivalis (Pg) DNAの検出を行った。出産時の血清ではPg-FimAタイプ別血清抗体価とGalectin-3、高感度CRPの測定、胎盤ではPgの免疫組織学的検出とFimAタイプ別DNA解析を行った。 今回は、Pg-FimAタイプ別血清抗体価の解析が終了した87症例(早産21症例、正期産66症例)について血清抗体価と口腔状態並びに早産の関係について検討した。妊婦の口腔衛生状態は比較的良好であった。血清抗体価をLow群(健常対照群平均値±3SDまで)とそれ以上のHigh群に分類し、PgFimAタイプ別にPESA、PISA及び出産との関連を調べた。その結果、いずれのタイプのPgもHigh群で高い傾向を示した。特に、Type3、Type4とType5のHigh 群はPISA値が有意に高く、疾患活動度と関わることが示唆された。早産の割合はType1(Low 群22.8%、High群37.5%)、Type2(Low群22.9%、High群:50%)、Type3(Low群:23.1%、High群:33.3%)、Type4W83(Low群20.8%、High群:50%)、Type4 Su63(Low群22.2%、High群:50%)、Type5(Low群:22.7%、High群:33.3%)で、Type2とType4の血清抗体価の高い患者群で早産の発症率が高い可能性が窺われた。In vitro ではFusobacterium Nucleatum(FN)の胎盤細胞への感染の影響を調べた。FN感染は胎盤細胞からの出産関連因子の産生を有意に増加させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多くの妊婦をエントリーし残余血清をこれまでに600症例以上集めたが、その中で歯周科を受診してくれた妊婦は129例で、症例集めに苦労している。特に早産症例は数が少ない。 Galectin-3、高感度CRP、胎盤の解析は進めつつあるが、他のパラメーターと統合できていない点でやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
出てきた結果を統合し、統計学的に解析し、歯周炎と早産の関係について明らかにしていく。広島県立病院との連携が可能になったので、背景のない正常分娩と早産症例を中心に集める予定である。
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Causes of Carryover |
発表予定していた国際学会への発表を断念したための残額である。今年度より連携病院からの血清の解析も開始することになった。サンプル供与に手数料が必要となるためその費用に充てたい。
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Research Products
(4 results)