2017 Fiscal Year Research-status Report
軟骨細胞の成長概日リズムとSOX9-ユビキチンリガーゼとの関連
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16K11476
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
服部 高子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90221936)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30322233)
高江洲 かずみ (河田かずみ) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10457228)
池亀 美華 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70282986)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | chondrocytes / melatonin / rhythmic expression / PTHrP / IHH / Cell growth / circadian rhythm |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、昨年度までに得られた知見をさらに確実なものにするため、以下の実験を行い、結果を得た。 ①培養細胞の遺伝子発現の周期を同調させることで、これまで見られた現象が再現されるか、あるいは同調後の遺伝子発現の実験間のばらつきが消失するかを確かめたところ、マウス初代軟骨細胞において50%血清刺激によって同期した遺伝子群の発現が観察された。その結果、軟骨細胞が自律的概日リズムを示しながらメラトニンを産生していること、メラトニン受容体遺伝子も概日リズム発現変動をすることが示され、これまでの知見が正しいことが明らかとなった。②同様の遺伝子発現の変動を、生体内でメラトニン産生が確かめられているラット初代培養軟骨細胞、ニワトリ胚由来初代軟骨培養細胞でも確かめた。ラット、およびニワトリ胚由来初代培養軟骨細胞上清、および細胞層側にメラトニンが産生されていることが質量分析解析によって明らかとなった。③マウス初代培養軟骨細胞を用いて、メラトニンが概日リズムに及ぼす影響を調べるために、リズム同調後、一定の間隔をあけてメラトニンを添加した。その結果、メラトニン受容体遺伝子の発現リズムの位相の変化のみでなく、概日リズムのマスターレギュレーターであるBMAL1, Per1の発現リズムにも、位相および周期の変化が観察された。このことは、軟骨細胞において、メラトニンはその受容体の発現を変化させることによってメラトニン受容効率を上げるだけでなく、軟骨細胞がもつリズム遺伝子の発現も制御する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はメラトニンを体内で産生する能力のある、野生ネズミを用いて同様の実験を行い、軟骨細胞におけるメラトニン産生能、および周期性を確かめる予定にしていたが、軟骨細胞供給動物として、本来メラトニン産生能をもつことが報告されているラット、およびニワトリ胚を用いることで、本来の目的を達成することができている。また、CRISPR-Cas9を用いた変異マウスについては、現在のところ外来遺伝子の相同組換えによるknock-inに成功しており、現在解析を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験計画最終年度に当たる平成30年度は、これまでの研究内容を学術雑誌に掲載することを目標とする。さらに、現在解析中のCRISPR-Cas9を用いたゲノム編集マウスについても解析を行い、さらなる研究の進展につなげたい。
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Causes of Carryover |
本年度は試料調製の都合により行えなかったRNA-Seq解析を次年度に行うことを計画しているため、次年度使用額が必要と判断した。
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Research Products
(9 results)