2017 Fiscal Year Research-status Report
Keap1/Nrf2による骨代謝制御機構の解明とインシリコ創薬への応用
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16K11480
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
西下 一久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20237697) [Withdrawn]
岡元 邦彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10311846) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Osteoclast / Keap1 / Nrf2 / NFATc1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Keap1およびNrf2遺伝子欠損マウス由来破骨細胞を用いた in vitro の研究によって、Keap1/Nrf2を介した酸化ストレス制御系が破骨細胞分化シグナル系と複数の経路で関与し、破骨細胞分化を制御していることを明らかにした。これらの結果から論文を作成し2017年5月1日にFASEB Journal に受理された。さらに、Keap1 遺伝子欠損マウス由来細胞において破骨細胞分化が著しく抑制している原因が、Keap1欠損によるNrf2の恒常的活性化に起因するものかを明らかにする目的で、Keap1/Nrf2ダブルノックアウトマウスを作出し、骨髄細胞および脾臓細胞を用いた破骨細胞分化実験を行った。その結果、Nrf2の活性化によるNFATc1発現抑制因子の発現上昇が鍵となることを明らかにした。一方、Nrf2を活性化する化合物および天然物由来化合物は破骨細胞分化を抑制し、それはNFATc1発現抑制因子の発現上昇を伴うことを明らかにした。さらに長崎大学創薬研究センターより化合物を提供していただき、破骨細胞分化抑制活性を持つ化合物を複数見出している。 またH28年度までに、Keap1/Nrf2を介した酸化ストレス制御系は破骨細胞分化だけでなく、骨芽細胞分化系や軟骨細胞分化に関与することも我々は明らかにしてきたが、個体レベルでの顕著な骨格の異常を認めることができなかった。そこで骨の超微細構造を観察することとし、産業技術総合研究所にてマウス大腿骨・脛骨の大気圧下での走査型電子顕微鏡水中観察を行い、それぞれのノックアウトマウスの硬組織を比較している。 さらに、卵巣摘出による病態モデルマウスの作製を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度は、研究分担者2名が転出と退職で減るという状況になったが、新しい機器等の学内導入により、研究者数の減少をカバーすることができ、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
候補化合物のスクリーニングもさらに続けながら、卵巣摘出した骨粗鬆症病態モデルマウスに候補化合物を投与し、その効果を評価する。
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Causes of Carryover |
理由:H29年度に購入予定にしていた試薬の国内在庫がなく、海外から取り寄せるのに時間を要したため、購入が次年度になってしまったため、H30年度にその分を繰り越した。
使用計画:H30年度に支払うことになっている。
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Research Products
(6 results)