2018 Fiscal Year Research-status Report
咬合不全が高次脳機能低下を招く神経機構の解明:三叉神経中脳路核周囲の回路網の解析
Project/Area Number |
16K11482
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
齋藤 充 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50347770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 恵梨子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60467470)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 三叉神経中脳路核 / 認知症 / 咬合支持崩壊 / 青斑核 / 前脳基底部 / Onecut因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
多数歯の喪失による咬合支持の崩壊が、認知症の危険因子のひとつであることは多数の疫学調査の結果から示唆されているが、その機構についてはほとんど判っていない。 青斑核は中枢神経系内で最大のノルアドレナリン作動性ニューロンの集団であり、覚醒レベル制御、ストレス反応、注意等の高次脳機能に関与していることが知られている。青斑核ニューロンはその表現型の維持に転写因子Onecutファミリーを必要とするが、胎生の一時期を除き、自身で当該の因子を合成することができず、同核に隣接あるいは重畳している三叉神経中脳路核のニューロンから供給を受けている(Espana & Clotman, Mol. Cell. Neurosci., 2012)。 老齢動物(ラット・マウス)に対して、軟食飼育或いは臼歯歯冠切除を施すと、学習・記憶の中枢である海馬・大脳皮質へ投射する前脳基底部コリン作動性ニューロンの細胞死と、行動学的に認知症様の症状を招いた。これは、軟食飼育或いは臼歯歯冠切除によって、歯根膜機械受容器及び閉口筋筋紡錘を支配する三叉神経中脳路核一次感覚ニューロンが活動低下ないし死滅することで、転写因子Onecutファミリーの合成が低下し隣在の青斑核ニューロンの活動に変調を来たすことで、高次脳機能の低下を招くことが示唆された。尚、青斑核ニューロン-三叉神経中脳路核ニューロン間の直接的な結合は、前者から後者へのノルアドレナリン作動性入力以外に見出されなかった。 現時点では、青斑核ニューロン活動の変調が前脳基底部コリン作動性ニューロンの細胞死を招く機構については明らかでない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験設備の整備が様々な原因から計画通りに進まず、研究計画全体に若干の遅れを生じているが、延長期間中に完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、青斑核ニューロン活動の変調がどの様に大脳基底核コリン作動性ニューロンの細胞死を招来するのか、或いは、大脳基底核ニューロンの細胞死とは別の経路で認知症様症状を惹起するのか解析を進めて行きたい。特に、細胞死の機構として細胞容積調節(Regulatory volume increase/decrease)に着目し解析を行いたい。
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Causes of Carryover |
研究計画の若干の遅れに伴い、主に、購入を予定していた消耗品が未購入となっていることに因る。それらの物品を次年度の早い内に購入する見込みである。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Inhibition of GluR Current in Microvilli of Sensory Neurons via Na(+)-Microdomain Coupling Among GluR, HCN Channel, and Na(+)/K(+) Pump2018
Author(s)
Kawasaki Y, Saito M, Won J, Bae JY, Sato H, Toyoda H, Kuramoto E, Kogo M, Tanaka T, Kaneko T, Oh SB, Bae YC, Kang Y
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Journal Title
Frontiers in Cellular Neuroscience
Volume: 12
Pages: 113
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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