2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms inducing cognitive dysfunction following occlusion/mastication disorder: Analyses of neural circuits around mesencephalic trigeminal nucleus
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16K11482
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
齋藤 充 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50347770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 恵梨子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60467470)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 三叉神経中脳路核 / 青斑核 / 認知症 / 筋紡錘 / 歯根膜 / 栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
疫学研究及び死後脳の結果から、多数歯を喪失し咬合支持が崩壊すると、認知機能の中枢である大脳皮質及び海馬へのアセチルコリン作動性投射を持つ前脳基底部ニューロンが細胞死し、認知機能が低下する可能性が示唆されている。閉口筋筋紡錘及び歯根膜機械受容器を支配している三叉神経中脳路核一次感覚ニューロンは、前脳基底部アセチルコリン作動性神経核群を含め広範な脳領域へ投射する青斑核と隣接及び一部混在していることから、咬合支持の崩壊により三叉神経中脳路核ニューロンの生存或いは活動度に変化が生じることで、青斑核の生存或いは活動度が変わることで、主に前脳基底部アセチルコリン作動性ニューロンの細胞死を惹起することで認知機能が低下することが想定される。そこで申請者らは三叉神経中脳路核から青斑核への投射の可能性を組織学的及び電気生理学的に検索したが、既知の青斑核から三叉神経中脳路核への投射は確認されたものの、逆方向の投射は確認できなかった。また、主要な神経伝達物質による容量性伝達の可能性も低いことも判明した。これらのことから、両神経核ニューロン間の作用は神経伝達物質に依らず、神経栄養因子等が関与していること示唆された。青斑核細胞は生存と機能維持にOneCut因子を必要とするが、細胞の成熟後は青斑核細胞自身が当該の因子を産生できず、三叉神経中脳路核細胞によって供給されていることが報告されており、想定している機序のひとつである。また、固有受容器が産生している神経栄養因子ニューロトロフィン3が三叉神経中脳路核ニューロンの末梢側終末によって取り込まれ、同細胞の活動によって青斑核ニューロンが維持されていることが考えられる。今後はこれらのOneCut因子及びニューロトロフィン3を含めた神経栄養因子の関与について検討して行きたい。
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Research Products
(2 results)