2017 Fiscal Year Research-status Report
シェーグレン症候群におけるTLR3活性化とその制御
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16K11500
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
相田 美和 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (20258528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梨田 智子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10133464)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / TLR3 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群は中高年女性に好発する全身性の自己免疫疾患である。ドライマウスおよびドライアイを主訴とするため著しくQOLを損なうが、根治につながる治療薬などがなく対症療法が施されているのが現状である。そこで我々は、シェーグレン症候群の患者唾液腺上皮ではTLR3の発現量が多いという知見をもとに、TLR3シグナル活性化の抑制、および、TLR3発現の亢進抑制をターゲットにして、ヒト顎下腺由来細胞A-253およびモデルマウスを用いて、唾液腺障害の抑制効果を有する物質の検討を進めている。 シェーグレン症候群は、慢性関節リウマチなど他の自己免疫疾患との併発例が多い(二次性シェーグレン症候群)ことも特徴である。そこで、予防的な使用法も考慮して、食品成分や既存医薬品を対象にTLR3シグナルの下流分子の阻害効果が報告されているものを検索し、6種の候補分子を選択した。これら候補分子のTLR3活性化抑制について、TLR3リガンドpoly(I:C)刺激によるTLR3自体の発現亢進を指標とし、A-253細胞を用いて検討した。6種の候補分子のうち、1種で強いTLR3抑制効果、3種がそれに次ぐ中程度の抑制を示したが、残りの2種はほとんど抑制効果が見られないという結果となった。強いTLR3抑制効果を示した1種は、アポトーシス誘導活性が見られないことが確認できたため、現在、この候補分子についてモデルマウスに投与する実験を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の遅れを取り戻せていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中のモデルマウスによる検討は観察期間が長く、遅れを取り戻すのは難しい。これ以上の遅れがでないよう、検討事項が発生した場合は、速やかに対応して進めたい。
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Causes of Carryover |
全体的な研究の進行がやや遅れているため、次年度使用額が生じた。次年度使用分は主に消耗品費として使用する予定である。
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