2018 Fiscal Year Research-status Report
シェーグレン症候群におけるTLR3活性化とその制御
Project/Area Number |
16K11500
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
相田 美和 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (20258528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梨田 智子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 非常勤講師 (10133464)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫疾患シェーグレン症候群の主訴である唾液分泌障害の発現を抑えることを目的とし、TLR3活性化抑制物質に注目して検討を続けている。 ヒト顎下腺由来A-253細胞を用いたin vitro実験系で、TLR3リガンド刺激によるTLR3活性化の阻害効果が最も高かった食品成分について、モデル動物を用いてin vivoでその効果を検討した。モデル動物にはⅠ型糖尿病モデルマウスであり、またシェーグレン症候群モデルとしても多数の使用実績のあるNOD/ShiJclマウスを用い、投与は口腔から行った。投与期間を通じて体重の変化には差がなく、成長に影響しないことが確認できた。 投与効果について、まず、唾液流速と空腹時血糖値の測定を行った。ピロカルピン刺激による刺激時唾液流速の測定において、投与群は対照群と比較して、有意に唾液流速が大きい値を示した。一方で、空腹時血糖値には投与による影響は観察されず、血糖値と刺激性唾液流速には相関がなかった。投与物質は、Ⅰ型糖尿病発症には抑制効果が期待できないが、唾液分泌障害に抑制効果を示すことがわかった。 作用機序の検討として行った唾液腺mRNAのRT-PCRから、炎症性サイトカインIL-1betaの発現には有意差がないが、抗炎症性サイトカインIL-10の発現が投与群では有意に高いことがわかった。しかし、唾液腺のHE染色による炎症の検討では、炎症が多少抑制されてはいたものの、有意差は認められなかった。さらに解析を進め、作用機序を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に研究開始が遅れたことが、そのまま影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果を補足するための実験を遂行する。
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Causes of Carryover |
研究開始年度の異動により、研究環境を整えるのに時間がかかり、研究開始が遅れた。実験動物の長期間飼育を必要とする実験方法であることもあり、その遅れを取り戻すことが困難であった。次年度使用額は、補足的なデータ取得や研究成果発表のために使用する予定である。
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