2018 Fiscal Year Annual Research Report
An increase in serum osteoprotegerin is a marker of the onset of Candida albicans infection and may contribute to endothelial cell dysfunction
Project/Area Number |
16K11516
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
小林 美智代 奥羽大学, 歯学部, 講師 (80316265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 恵美子 東北大学, 農学研究科, 教授 (80113570) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Osteoprotegerin / RANKL / Candida albicans |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】骨代謝因子であるOsteoprotegerin(OPG)の局所濃度は感染による歯槽骨の吸収や抜歯治癒など多くの口腔内疾患に影響を及ぼす。OPGの大きな供給源の一つとして血管内皮細胞があるが、動脈硬化や糖尿病などによる血管内皮の障害の際にOPGの産生量が上昇すること、過度のOPG濃度の上昇は血管内皮細胞の機能障害を引き起こすことが知られている。本研究の目的は口腔の感染症が血中や感染局所のOPG濃度に影響を与えるか、感染により増加もしくは減少したOPGが病態に関与するか否かを明らかにすることである。 平成30年度では、前年度に確立した深在性カンジダ症マウスモデルを用い、カンジダ症発症における血中と感染した舌組織中のOPG濃度増減について検討した。 【方法】5週齢メスICRマウスに塩酸クロルテトラサイクリン含有水道水(4mg/ml)を飲水させプレドニゾロンを感染4日前と1日前に100mg/kg投与した。C. albicans臨床分離株OH-1株を舌に接種した後、経時的に舌、脾臓および腎臓の感染量と、舌組織および血清中のOPG濃度を測定した。 【結果と考察】感染後4日目と5日目において、感染群は非感染群に比較して有意に血清OPG濃度の上昇が認められた。しかし、舌組織では明らかなOPG濃度上昇は認められなかった。また、感染群の30%で脾臓と腎臓へのC. albicansのトランスロケーションが認められた。これらの結果より口腔を感染源とする深存性カンジダ症はOPG血中濃度を上昇させる可能性が示唆された。 【結果と考察】本研究結果は、口腔で比較的頻繁に見られる感染症の一つであるC. albicans感染が全身のOPG血中濃度に関与し、血管内皮細胞などの機能に影響することを示唆するものである。
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