2017 Fiscal Year Research-status Report
オーラル・フレイル早期予測のための画像診断法の確立に関する基礎的検討
Project/Area Number |
16K11523
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
松田 幸子 昭和大学, 歯学部, 助教 (50266178)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | オーラルフレイル / 側方セファロX線写真 / パノラマエックス線写真 / 舌骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
オーラルフレイルの前兆を予測するための評価の1つとして、舌骨の位置を側方セファロ分析によって水平および垂直的位置の推移について評価した。 加齢とともに舌骨が垂直方向の下方に推移する傾向があること、特にそれは男性において著明であったことを国際学会において発表した。同様の発表は少なかったが、ディスカッションの場で、海外でも患者が加齢によりむせやすくなる傾向があるという情報を共有することができた。現在英文誌に投稿中である。 簡易的に舌骨の評価を行うことができないかを評価するために、歯科治療においてよく用いられているパノラマエックス線写真を用いることができないか評価した。パノラマエックス線写真における舌骨の見え方を評価した。 顎変形症や症候群、口蓋裂などの顎骨の変形を主とした患者を除いた333名(25本以上の歯を有している22-69歳までの矯正治療を予定している患者)のパノラマ分析と側方セファロ分析を行いった。パノラマエックス線写真で舌骨の見え方を前回同様に6群に分けて評価した。舌骨が一部ないしほぼ見えない群では、側方セファロ写真でも舌骨が低い位置にある傾向を示した。ただし、パノラマエックス線写真上で舌骨が完全に見えている症例でも、側方セファロ分析では舌骨が低い位置にある症例も認められたことから、パノラマエックス線写真で舌骨が一部しか見えない患者は舌骨が低位にある傾向が高いが、パノラマエックス線写真で舌骨がすべて見えている症例でも側方セファロ分析では舌骨が低い位置に認められる症例があることが明らかになった。この研究成果を国際学会にて発表した。 咬合高径の低さとの関連性について検討した。リケッツの分析の下顔面高(LFH)と舌骨の上下的な位置について分析を行ったが、有意な傾向は認められず、咬合高径と舌骨の垂直的な位置の関連性は低いことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
側方セファロエックス線写真の分析で舌骨の位置変化の傾向を明らかにできたことに加え、パノラマエックス線写真上の舌骨の見え方と側方セファロエックス線写真上での舌骨の垂直的高さに関連があることが示唆される結果を得られたため、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)パノラマX線写真の分析 舌骨以外に、むせなどの発生を予測できる指標分析項目を検索すること。過去にむせなどを生じた既往のある患者を対象に、パノラマX線写真上で判断できる項目からむせを予測腋内科を検討する。 2)歯科用コーンビームCTのデータ分析 3次元的な舌骨や周囲の軟組織の位置評価方法を検討すること。舌骨の位置が下方になると口腔内の含気の容積が大きくなることが示唆される。 3)MDCTデータの分析 舌骨周囲のどの筋肉に加齢による変化が明らかなのかを分析する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: 3次元容積分析ソフトの購入を予定していたが、その費用が当初予定した予算を上回ったため、購入を中止した。そのため、その分の残金が残った。 使用計画:この残高に今年度の経費を加えて予定していたソフトを購入する予定である。
|
Research Products
(3 results)