2016 Fiscal Year Research-status Report
耳下腺導管を対象としたバーチャルCT-Sialographyの確立
Project/Area Number |
16K11531
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
泉 雅浩 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40212956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
福田 元気 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (20750590)
野澤 道仁 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤助教 (20750607)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 耳下腺導管 / バーチャル / CT-Sialography / 三次元画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は造影剤を使用していない単純CTの画像データを基に、画像処理技術を利用し、耳下腺導管の走行を三次元的に描出する手法(バーチャルCT-Sialography)を確立し、その臨床的有用性を明らかにすることである。 平成28年度はCT-Sialographyによる耳下腺導管の良好な描出方法についての基礎的検討を行った。特に耳下腺腺体内の導管描出は、従来のボリュームレンダリングテクニックでは困難であったため、シード・フィルアルゴリズムを併用した描出方法を検討した。これは導管と同等のCT値を有し、導管と連続している組織を強調する画像処理法であり、これにより腺体内導管の描出能は向上すると考えられた。しかしながら、耳下腺の腺実質や導管と隣接する咬筋の一部に導管と同等のCT値を有している症例が多く、良好な導管描出は困難であった。そこで、導管を強調するのではなく、耳下腺の腺体組織を検出、消去し、導管のみを残すという新たな手法を考案し、これまでの手法では良好に描出できなかった症例の導管を把握することに成功した。ところが、本手法を用いても、腺体組織と導管を充分に分離できない症例も存在したため、耳下腺導管と腺体組織のCT値に差を分析した。CT患者のデータベースから6歳から77歳までの男女100名を無作為に抽出し分析した結果、CT値の差が大きいほど、良好に導管が描出できた。さらに、スライス厚との関係を分析した結果、CT値の差が大きくなくても、より薄いスライス厚(1mmスライスや0.5mmスライス)では、導管の描出が良好であった。 以上の結果は、良好な耳下腺導管の三次元像を得るためには重要な情報であると考えられ、今後の研究を遂行するにあたり、有益な基礎データが得られたと思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度中にバーチャルCT-Sialographyの技法を確立する予定であったが、まだまだ改善の余地があり、平成29年度の中旬までさらに検討を継続する。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成29年度はバーチャルCT-Sialographyの臨床的有用性を検討するが、現時点での手法で導管が良好に描出できない症例は、年度後半に分析を先延ばしにして、研究計画通りに推進していく予定である。 臨床的有用性に関しては、1)健常者の導管形態、2)閉塞性耳下腺患者の導管形態、3)唾石症例における導管と唾石の位置関係について検討を行う。
|
Causes of Carryover |
物品等を予定価格より安価に購入できたため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額は少額であり、消耗品の購入に充てる。
|