2018 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌3次元画像誘導小線源治療におけるリアルタイム線量評価システムの構築
Project/Area Number |
16K11534
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
秋山 広徳 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20448111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10463291)
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50301263)
古妻 理之 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 研究員 (00641870)
辻本 豊 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 研究員 (90773135)
隅田 伊織 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10425431)
門前 一 近畿大学, 医学部, 准教授 (10611593)
田中 英一 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 研究員 (10324774)
武中 正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80626771)
清水谷 公成 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80121820)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 小線源治療 / 3Dプリンタ / ファントム / 組織等価 / リアルタイム線量計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにプラスチックを使用した3Dプリンターによるリアルサイズの口腔癌ファントムを作成することができた。今年度は、補綴装置による散乱線の影響を考慮するため、模型の歯に相当するものにブリッジを装着した。さらに、プラスチックを生体等価な材料に置換することを目指した。顎骨および舌が対象となるが、いずれの場合も市販品では、成型が困難のため、成型が容易でかつ、固化する材質を探す必要があった。また、放射線等価材をどのような条件で担保するのかも課題となるが、とりあえず、CT撮影によるCT値が各臓器と概ね同じであれば等価材と考えることで進めることとした。まず模型の骨相当部および舌相当部を歯科用バーなどを利用してくり抜き、内部に材料を充填することとした。材料として、骨には、内部海綿骨相当部にはCT値350のボーンシェードレジンを筆積み法で成型し、硬化させて用いた。外部皮質骨相当部には歯科用シリコーン印象材のベースとキャタリストを混和し成型したのち硬化させたものを利用した。一方、舌には、軟性が要求されるためまずは、歯科用印象材のベースのみを用いて舌相当部に充填した。完成した模型をCT撮影してみると、骨に関して、CT値の条件はみたしたが、均一性に難が生じた。舌相当部はCT値自体が高すぎた。そこで、ファントム作成業者に依頼し、まず、骨相当部等価材としてウレタンにカルシウムを添加したものを用いて、それが均質になるように作成していただいた。舌相当部に関しては、各種材料を試みている最中である。候補としてウレタン系の軟かい素材にカルシウム粉末を配合したものなどを考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
模型の生体等価材料の選定に苦慮しているためである。当初は、業者既製品を考えていたが、こちらは、成型が困難であり3Dプリンタを用いたリアルサイズの模型の利点が生かせないため放棄した。次いで、材料を自作することとし、ワックスや印象材などの各種歯科用材料を試みた。しかし、こちらも、CT値や均質性に難があった。そのため、現在、業者と共同で生体等価材を模索中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず3Dプリンターを用いたリアルサイズ生体等価口腔癌ファントムを完成させる。これを口腔癌患者にみたて腫瘍部位を設定し、小線源誘導用アプリケータを刺入する。さらにCT撮影を行い、通法に従い線量分布図を作成し、アプリケータ先端相当部の線量を求める。次いで、アプリケータ内にモスフェット線量計を挿入し、実測を行う。コンピュータでの計算値と実測値を比較し、線量計算の精度を確認する。
|
Causes of Carryover |
ファントムが未完成であり、それに伴い照射および線量の実測ができていないためである。そのため、ファントムの作製と照射関連費用(アプリケータや金属マーカ購入など)に使用予定である。さらに、業績公表のための費用(英文校正費、論文投稿費など)にも使用する。
|