2017 Fiscal Year Research-status Report
μCT-3D Visualization法を用いたレジンの重合収縮挙動解析と対策
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16K11543
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00182733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サダル アリレザ 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任講師 (20567755)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | μCT / 3D Visualization法 / 重合収縮 / Slow-start curing法 / コンポジットレジン / 窩壁適合性 / サーマルサイクル / 重合収縮緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウシ下顎前歯唇側歯頸部に直径3mm、深さ2mmの円柱窩洞を形成し、Clearfil tri-S Bond ND Quickを使用して、Clearfil AP-XかClearfil Photo Brightのレジンを充塞した。Clearfil AP-X は、重合と共にコントラスト比(不透明度)が減少し、Clearfil Photo Brightは、重合と共にコントラスト比が増加するタイプのレジンである。その後、①通常光照射法:600 mW / cm2 40秒と②Slow-start curing法:270 mW / cm2 10秒照射、インターバル5秒、600 mW / cm2 30秒により重合硬化させた。この際、μCTを用いてレジン重合前後の試料の断層撮影を行い、断層撮影により得られたデータを3D Vusualizationソフトを使用して解析し、窩洞内のレジン修復物の重合収縮量を算出した。半数の試料にサーマルサイクルによる負荷試験を行い、その後、レジン修復物の窩壁適合性を色素浸透試験により評価した。 重合時にコントラスト比が減少するコンポジットレジンよりも、コントラスト比が増加するタイプのコンポジットレジンを用いて、Slow-start curing法により硬化すると、接着材を使用した窩洞内の光重合型レジン修復物の重合収縮量と残留応力を減少させることが可能となり、窩壁適合性を向上できることを明らかにした。 また、ウシ下顎前歯の健全歯と60Gyのγ線を照射した象牙質平坦面を作製した後、レジンを築盛硬化し、象牙質平坦面に対するレジンの微小接着強さを測定した。健全象牙質とγ線照射象牙質の接着強さに差は認められなかったが、SEM観察により、γ線を照射した象牙質の破断面のみにコラーゲン繊維が観察され、γ線照射は象牙質に何らかのダメージを与えることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内学会と国際学会で発表を行い、既に英文誌に論文が三編掲載されており順調に研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
ウシ下顎前歯唇側歯頸部に直径3mm、深さ2mmの円柱窩洞を形成する。One-step セルフエッチングシステムのClearfil tri-S Bond ND QuickとTwo-step セルフエッチングシステムのClearfil SE Bondを使用して、Clearfil AP-XかClearfil Photo Brightのレジンを充塞する。Clearfil AP-X は、重合と共にコントラスト比(不透明度)が減少し、Clearfil Photo Brightは、重合と共にコントラスト比が増加するタイプのレジンである。その後、①通常光照射法:600 mW / cm2 40秒と②Slow-start curing法:270 mW / cm2 10秒照射、インターバル5秒、600 mW / cm2 30秒により重合硬化させる。この際、μCTを用いてレジン重合前後の試料の断層撮影を行う。断層撮影により得られたデータを3D Vusualizationソフトを使用して解析し、窩洞内のレジン修復物の重合収縮量を算出する。試料にサーマルサイクルによる負荷試験を行った後、レジン修復物の窩壁適合性を色素浸透試験により評価する。 各種接着システムを使用して窩洞に填塞した光重合型コンポジットレジンを通常照射法とSlow-start curing法により重合硬化し、その窩壁適合性を比較検討することで、接着材のコンポジットレジンの重合収縮応力への影響とレジン修復物の窩壁的適合性に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
昨年度は国際学会のIADRの開催がなく、本年7月にLondonで開催されるため、その旅費として繰り越した。 本年7月にLondonで開催されるIADRで成果発表を行うため、その旅費として使用する。
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Research Products
(3 results)