2017 Fiscal Year Research-status Report
抗菌性フッ化ジアミンシリケート溶液の根面齲蝕予防剤への臨床応用
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16K11553
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
菅 俊行 徳島大学, 病院, 講師 (60243713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 育子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (50707908)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯学 / フッ素 / フッ化ジアミンシリケート / フッ化ジアンミン銀 / 抗菌成分 / 齲蝕 / ハイドロキシアパタイト / 塩化セチルピリジニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
齲蝕進行抑制剤および象牙質知覚過敏症治療剤として使用されているフッ化ジアンミン銀(商品名:サホライド)は塗布後に歯質の黒変が起こることから、齲蝕進行抑制剤として永久歯への多用は審美的観点から困難であった。我々は着色を引き起こす銀成分をシリケートに置換したフッ化ジアミンシリケート溶液を調製した。フッ化ジアミンシリケート溶液は開口した象牙細管をアパタイト様結晶で緊密に封鎖したことから、象牙質知覚過敏症治療に有効であると考えられた。う蝕関連細菌も象牙細管を通じて象牙質へと侵入することから、結晶性物質で象牙細管を緊密に封鎖することで侵入をブロックできれば根面予防効果も期待できると思われる。そこで今回、各種抗菌成分を添加したフッ化ジアミンシリケート溶液を調製して、象牙細管を緊密に封鎖できるかどうか、抗菌成分無添加の場合と比較した。添加した抗菌成分はグルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、エピガロカテキンガレートの4種類とした。抜去歯より調製した象牙質プレートに抗菌成分添加および無添加のフッ化ジアミンシリケート溶液処理を施し、象牙細管封鎖効果を象牙質表面および割断面をSEM観察により評価を行った。いずれの抗菌成分を添加した場合においても、象牙細管は無添加の場合と同様に緊密に封鎖されており、抗菌成分添加はフッ化ジアミンシリケート溶液の象牙細管封鎖能を減少させないことが明らかとなった。したがって、抗菌成分添加フッ化ジアミンシリケート溶液は齲蝕進行抑制剤として臨床応用できる可能性があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で当初予定していたフッ化ジアミンシリケート溶液への各種抗菌成分の添加が可能であることが判明し、その溶液を用いて象牙質中への溶液の浸透性および象牙細管封鎖性の評価が行えたことから、本研究は当初予定していたとおり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も申請時に記載した研究計画に基づき、各種抗菌成分を添加したフッ化ジアミンシリケート溶液の抗菌性を評価して、根面齲蝕予防剤として臨床応用への可能性を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)ほとんどの予算は計画に則り、必要な実験器具などの購入に充てることができたが、本年度は予定していた海外への学会参加を見送ったため、差額が生じた。
(使用計画)実験計画書に則り、必要な研究物品を購入する予定であるとともに、次年度は海外で開催される国際学会に出席して、研究成果を発表する予定である。
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Research Products
(1 results)