2016 Fiscal Year Research-status Report
天然生理活性ペプチドのヒト歯髄由来幹細胞培養・移植による骨再生能の解析
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16K11557
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 志津香 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00363458)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒト歯髄由来幹細胞 / 魚由来コラーゲンペプチド / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト歯髄由来幹細胞 (hDPSCs)に対する魚由来コラーゲンペプチド(FCP)の細胞生活力への影響を調査するためMTT試験を行った。96穴皿にhDPSCsを播種しDMEMで培養を行った。翌日細胞の生着を確認後、総濃度が2,0.2,0.02mg/mLとなるようにFCP含有DMEMと交換して培養を行った。DMEMのみで培養したものをネガティブコントロール、Osteoblast Inducer(TaKaRa Clontech; OI)含有DMEMで培養したものをポジティブコントロールとした。24時間培養後吸光度測定を行ったところ、対照群に対する2,0.2,0.02mg/mLFCP群、OI群の吸光度比はそれぞれ1.1±0.1,1.1±0.1,1.2±0.0,1.3±0.1(n=3,平均±標準誤差)であった。OI群は対照群と比較して有意に高い細胞生活力を示したが(p<0.05)、各FCP群に関しては有意差がなかった。次にFCPの骨芽細胞分化誘導能の検討を行った。6穴皿にhDPSCsを播種しサブコンフルエント後、総濃度が2,0.2,0.02mg/mLとなるようにFCP含有DMEMとOI含有DMEMと交換し培養を行った。3日後、細胞を回収しアルカリフォスファターゼ (ALP)、オステオカルシン (OCN)、RUNX2の遺伝子発現をRT-PCR分析により比較検討した。その結果、対照群に対する2,0.2,0.02mg/mL FCP群とOI群のALPにおけるmRNAの発現比は、それぞれ0.5,2.1,0.4,1.4倍であった。OCNの遺伝子発現は、それぞれ0.5,2.2,0.4,1.6倍、RUNX2の発現は、1.0,1.1,0.8,1.2倍であった。以上のことから、FCPは0.2mg/mLという低濃度で、OIと同等の骨芽細胞誘導能を有することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの系で、魚由来コラーゲンペプチドが幹細胞を骨芽細胞に分化誘導する可能性を科学的に証明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
石灰化に関連する遺伝子だけでなく、今後、石灰化の三次元的テンプレートとなるコラーゲンの架橋に関連する遺伝子にも着目し、これらの遺伝子発現の上昇を確認することで、魚由来コラーゲンが骨芽細胞への分化誘導に寄与することをin vitroとvivoの系で証明する。
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Causes of Carryover |
消耗品の物品購入が予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度以降、必要な物品等を購入し、研究を進める。
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