2020 Fiscal Year Annual Research Report
A new preventive strategy for early enamel erosion.
Project/Area Number |
16K11563
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
荻野 玲奈 (田中玲奈) 昭和大学, 歯学部, 講師 (80585779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 陽 昭和大学, 歯学部, 教授 (30327936)
宮崎 隆 昭和大学, 歯学部, 特任教授 (40175617)
有本 隆文 昭和大学, 歯学部, 講師 (60407393) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エナメル質 / ハイドロキシアパタイト / 再石灰化 / マイクロCT / ラマン分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nd:YAGレーザーを用いて超微量元素の検出感度が高いとされるレーザーアブレージョンシステム(LA-ICPMS)により,単斜晶アパタイトの局所合成に関わる元素を同定すべく,オフィスブリーチ後に石灰化溶液で処理した天然歯矢状断サンプルにおいて石灰化溶液に含まれる成分元素(Al, B, Na, Si, Sr)がエナメル質断面に含まれるか検証した.比較のために石灰化イオン溶液処理のみ,オフィスブリーチ処理のみ,および未処理サンプルも分析した. Siに関しては,いずれのサンプルについてもバックグラウンドが高かったため有意なイメージング画像は得られなかった.B, Na, Alの分布状態は石灰化イオン溶液処理のみ,オフィスブリーチ処理のみおよびオフィスブリーチ後に石灰化溶液で処理したサンプルで大きな違いは見られなかった.Pに関しては,未処理サンプルに比べ,いずれのサンプルもPの濃度が増加していた.特に石灰化溶液処理したサンプルに関しては全体的に濃度の上昇がみられた.また,未処理サンプルと比較してオフィスブリーチ処理サンプルでPおよびSrの濃度が上昇していた.これはオフィスブリーチ処理により失われた微量元素成分を補う形でいくつかの元素が濃集したと考えられる.今回の研究で,元素の定量は難しかったが,今後はSi標準試料を用いたSiの検出を試みるとともに,硬組織の石灰化に関与が疑われているSrのような超微量元素の検出が石灰化への関与を示す糸口になる可能性が高いと考える.
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