2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16K11573
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
山根 一芳 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40388369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 難治性根尖性歯周炎 / 細菌検査 / 病原性 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、初年度にPacific Biosciences社のPacBio RS II systemを用いたシーケンシングによって配列を決定したコンティグを詳細にインフォマティクス解析した。根尖性歯周炎の悪化による閉鎖性骨膜下膿瘍から分離同定した、アクチノマイセス・オリスのバイオフィルム形成株からは約3.1Mbの長さのコンティグを275.6xのカバレッジで得ることができた。コンティグから遺伝子のコーディング領域を予測して、推定遺伝子の機能を相同解析により機能予測したところ、バイオフィルムの構成成分である菌体外多糖合成に関わると考えられる遺伝子の存在が予測できた。これらの結果については第12回日本ゲノム微生物学会年会で報告した。 同様に閉鎖性骨膜下膿瘍から分離同定した、ストレプトコッカス・コンステラタスのバイオフィルム形成株のゲノムについては、コンティグの末端の配列からプライマーをデザインし、ギャップクローズを試みた。その結果、いくつかのコンティグを連結することができた。しかし、PCRによる増幅がうまくいかない場所が複数あり、繰り返し配列を多く含む領域であることが予測され、他の方法による解析の必要性が示唆された。 根管細菌の検出方法確立のため、ガラスキャピラリーで作製した感染根管モデルでロシア・ミューシラジノーサを培養したのち、手用ファイルで菌体を採取した。採取した菌体を用いて、初年度に明らかにしたバイオフィルム形成関連遺伝子をリアルタイムPCR法で検出することを試みた。その結果、いくつかの遺伝子で検出可能であることが分かった。今後、プライマーの設計を工夫することで、感染根管からバイオフィルム形成細菌を検出可能であることが示唆された。
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