2016 Fiscal Year Research-status Report
二相性担体での血球系細胞および口腔粘膜細胞の再分化による歯髄・象牙質複合体の再生
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16K11574
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
好川 正孝 大阪歯科大学, 歯学部, 客員准教授 (70148451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 博史 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (00274001)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルギン酸スポンジ / 多孔質セラミックス / 担体 / 血球系細胞 / 口腔粘膜細胞 / Nodule / 幹細胞 / In vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から、円柱状に作製したアルギン酸スポンジを円筒状の多孔質セラミックスの中空部に挿入した二相性担体を作製した。アルギン酸スポンジはその粘性と濃度によって操作性が異なり、また、凍結乾燥時の温度変化によっても、形成される気孔の形状に差異を生じる。これらの条件を可及的に一定にして、均一な形状と大きさの気孔を有するスポンジを作製しなければならない。試作を重ねて、現在では概ね一定の条件のもとに、均一な形状と大きさの気孔を有するアルギン酸スポンジの形成が可能になった。 歯科領域において、幹細胞を得る手段には制限がある。骨髄から幹細胞を得ることはきわめて困難である。採血によって血球系細胞を得、口腔粘膜から粘膜細胞を得て、それらから硬組織あるいは骨形成に関わる幹細胞を得る手段を確立することが極めて重要である。しかしながら、現在まで、血球系細胞および粘膜細胞に由来する幹細胞から確実に硬組織を形成することを証明するには至っていない。 現在、ラットの血球系付着細胞およびラットの口腔粘膜由来細胞を初代培養し、その後、それらを継代培養するにあたって骨誘導因子であるデキサメタゾンとβ-グリセロフォスフェイトを培養液中に添加したところ、培養器底にnodule形成がわずかに認められた。血球系付着細胞そして口腔粘膜由来細胞には、硬組織形成に関わる細胞に分化しうる幹細胞が少数ではあるが存在するとの可能性を示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血球系付着細胞の採取方法に試行錯誤していたことが遅延している大きな理由である。また、ラット末梢血から得る血球系付着細胞数が極めて少なく、増殖に長期間の培養時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット末梢血から得る血球系細胞で付着性細胞の速やかな増殖を誘導する因子を見つけ出す必要がある。中胚葉性である血球系細胞では、数的に少ない幹細胞を増殖させて骨芽細胞に分化誘導することは比較的容易であると考えており、因子の特定を進めてゆく。 ラット口腔粘膜由来細胞の幹細胞を硬組織形成に関わる細胞に分化させるための促進因子をペプチドあるいはアミノ酸から見つけ出す。そのスクリーニングを行う。
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Causes of Carryover |
成果公表のための海外学会を予定し、抄録を提出してアクセプトされて発表が決定していたが、体調不良のために出発直前に学会出席を断念した。そのために、旅費の支出が大幅に少なくなった。 細胞培養の培養液や試薬など、常に使用している品目を購入することもできたが、使用期限などを考慮して次年度での支出が合理的と考え、急いでの支出は控えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養の培養液に添加するウシ胎児血清で支出する。
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Research Products
(2 results)