2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of hydroxyapatite film formation condition on dentin by Er:YAG laser deposition method
Project/Area Number |
16K11576
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40157102)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Er:YAGレーザー / ハイドロキシアパタイト / 象牙質知覚過敏症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、申請の研究計画に従ってEr-YAG-PLDユニットの実用機をモリタ製作所の協力のもとに作製した。レーザー用コンタクトチップとしてP400T、P600Tの改良型のストレートチップおよび、ミストアシストチップを作製した。また、口腔内でのハンドリング性を高めるために、膜のもとになるバルク体ターゲットの直径をこれまでの7mmから5mmにし、また簡単にターゲットの交換可能なカセット方式にした。 次に象牙質透過抑制率の測定するにあたり、歯髄組織は5℃ 程度の温度上昇で細胞死に至ることが知られているため、Er-YAG-PLD法による歯質上へのハイドロキシアパタイト(HAp)膜堆積による歯髄の温度上昇の測定を行った。その結果、50秒以内の成膜時間であれば歯髄は安全であることが分かった。 象牙質透過抑制率の測定にはPashleyらの象牙質透過性測定装置を使用した。象牙細管内溶液(Dentinal fluid;DF)には親ウシ血清(インビトロジェン社)を蒸留水にて4倍希釈した液を使用した。HAp膜堆積前と堆積後のDFの移動量からHAp膜の堆積による透過抑制率を算出した。成膜後3日目の透過抑制率は85.60 ± 8.62%(n=4)であり、一般のレジン治療による象牙質透過抑制率より大きな値であることが分かった。 また、Er-YAG-PLD法の新たな応用として、インプラント周囲炎への応用について検討した。周囲炎になったインプラントのデブライドメント後に、Er:YAG-PLD法でSLA-Ti表面にHApコーティングを行い、ヒト由来間葉系幹細胞(MSCR12)を用い生体親和性評価を行った。その結果デブライドメント後のTi表面の初期細胞接着が良好になることより、デブライドメント後のHAp膜コーティングはインプラント表面の早期再オステオインテグレーションの付与に有用であることがわかった。
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Research Products
(6 results)