2017 Fiscal Year Research-status Report
非感染性に惹起されるインプラント周囲骨吸収病態の分子生物学的探索
Project/Area Number |
16K11585
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石橋 実 東北大学, 歯学研究科, 助教 (40231138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
山田 将博 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90549982)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Occlusal Overloading / Saucerization / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨細胞 / インプラント周囲組織 / 免疫染色 / 脱灰切片 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント補綴は必要不可欠な欠損補綴治療の一つであるが,荷重後のインプラント周囲骨吸収が臨床的問題となっている.インプラント周囲骨吸収には,細菌感染であるインプラント周囲炎だけでなく,Occlusal Overloadingといった非感染性骨吸収の存在も報告されている.しかし,それらの病態は解明されていない.本研究の目的は,非感染性インプラント周囲骨吸収の動物実験モデルとインプラント埋入試料を用いた分子生物学的分析を可能とする組織切片作製法を確立し,非感染性インプラント周囲骨吸収の分子生物学的機構を探索することである. 本年度はチタンインプラントをラット上顎骨第一大臼歯相当部の顎堤に埋入し、骨結合の成立を確認した後に、非感染性インプラント周囲骨吸収モデルの成立を試みた.しかし、過荷重によるインプラント脱落が相次ぎ、非感染性インプラント周囲骨吸収モデルが成立しなかった。そのため代替案として、細胞培養実験を計画した。過荷重、特に圧縮力がインプラント周囲組織に加わった際に、骨細胞に酸化ストレスが加わり、骨細胞のアポトーシスを引き起こされる(Robert L, et al. Bone, 2013.)ことに注目し、抗酸化物質の応用が非感染性インプラント周囲骨吸収の有効であるかどうかを検証することとした。ラット大腿骨より採取した骨髄間質細胞に、細胞膜透過性のある抗酸化剤を作用させ、過酸化水素水を培地中に添加し、実験的に酸化ストレスを引き起こした。その結果、抗酸化剤の作用により、骨髄間質細胞のアポトーシス誘導は抑制できることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非感染性骨吸収モデルの変更は余儀なくされたが、代替案である非感染性インプラント骨吸収の病態の一つである酸化ストレスを予防する方策を細胞培養実験により検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
抗酸化剤の応用が骨髄間質細胞や骨細胞へ酸化ストレスに誘導されるアポトーシスを抑えるかどうかを動物実験により組織学的に検証する。ラット大腿骨モデルで酸化ストレスを引き起こし、骨組織中のアポトーシス誘導をパラフィン切片上でヘマトキシリン・エオジン染色やTUNEL染色などの組織学的分析により検証する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 実験計画の変更を余儀なくされ、主な支出対象であった組織学的分析に関連する試薬の購入を次年度へ持ち越した。 (使用計画) 平成30年度の使用計画に組み込み、組織学的分析に関連する試薬の購入に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)