2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11595
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久保 隆靖 広島大学, 病院(歯), 講師 (60240876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 博史 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (70711307)
土井 一矢 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (80444686)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨メタボリズム / インプラント / 骨粗鬆症 / 糖尿病 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病モデルにおいて,骨代謝の低下した環境下での骨欠損部の骨形成および骨強度の検討を行った. ● 動物:雌性ニュージーランドホワイトラビット20 羽(体重:3.0-3.5 kg)● 骨移植材:ポリリン酸吸着人工骨(粒径0.5-1.0 mm)● 薬剤:副甲状腺ホルモン(PTH:テリパラチド):アロキサン(アロキサン-水和物,和光純薬工業) ・重度高血糖型糖尿病モデルを作成するため,動物20 羽にアロキサンを静脈内へ投与し,その24 時間後,皮下に5%グルコース溶液を1 週間継続的投与し,高血糖Ⅰ型糖尿病モデルを作成した. 実験方法:動物の両側大腿骨に直径3 mm,深さ5 mmの骨窩を2カ所ずつ形成し,以下の各骨移植材を埋入した.①ポリリン酸結合人工骨+ PTH ②自家骨+PTH ⇒以上2群をPTH 投与群,③ポリリン酸結合人工骨のみ④自家骨のみ⇒以上2群を生食水投与群(コントロール群)とした.埋入から2および4週後,組織ブロックを採取し,マイクロCT撮影後,脱灰標本を作製した. 骨形成促進効果の評価;・組織学的評価:骨形成状態の様相を光学顕微鏡により観察した.・組織形態計測学的評価 :新生骨骨面積の測定およびマイクロCT の画像解析による骨密度測定を行った.・力学的評価:圧縮試験による骨強度を測定した. 以上の各評価項目において,コントロール群に対して.①ポリリン酸結合人工骨+ PTH ②自家骨+PTH ⇒PTH 投与群が有意に高い値を示し,骨形成および骨強度の上昇を確認した.またISQによるインプラント支持も同様に上昇していた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度別研究計画の進行に問題なく遂行できている.手技などの問題もみられておらず,来年度研究計画にすみやかに移行できる.
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Strategy for Future Research Activity |
骨メタボリズム促進部に埋入されたインプラント支持能の検討 ● 動物:雌性ニュージーランドホワイトラビット48 羽(体重:3.0-3.5 kg)● インプラント:チタン製機械研摩インプラント(直径:3 mm, 長さ:10.0 mm)● 骨移植材:ポリリン酸吸着人工骨(顆粒型,直径:0.5-1.0 mm)● 薬剤:研究2と同じ病態モデル動物(骨粗鬆症24 羽および糖尿病24 羽)をそれぞれ準備する. 埋入条件は下記とする.①ポリリン酸結合人工骨+ PTH ②自家骨+PTH ⇒PTH 投与群③ポリリン酸結合人工骨のみ④自家骨のみ⇒生食水投与群. 実験方法・インプラント体の埋入;両側大腿骨関節頭部に骨窩(直径6 mm, 深さ5 mm)を形成後,骨窩中央部へインプラント体の埋入を行う.埋入されたインプラント周囲の欠損部へ各移植材をそれぞれ填入する.各病態モデル12 羽にはPTH を4 週間間歇投与し,他の12 羽には生食水を同条件で投与する.埋入から毎週,共振周波分析装置によるインプラント安定係数を(ISQ 値)を測定する.埋入8 週後,インプラント体の除去トルクを測定(n=6),他方は骨組織ブロックを採取,非脱灰研磨標本を作製する(n=6). インプラント支持の評価;・インプラント支持能:除去トルク値およびISQ 値の評価・組織学的評価:光学顕微鏡による観察・組織形態計測評価:骨・インプラント接触率の測定骨欠損部骨形成面積率の測定 平成28,29,30 年度の結果より,骨代謝活性低下病態モデルである骨粗鬆症および糖尿病におけるポリリン酸結合人工骨とPTH間歇投与による骨形成促進および骨質改善作用および骨再生部でのインプラントの支持能を検討し,有用性を明らかとする.これらより,「骨メタボリズム促進型インプラント治療の確立」を達成する.
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Causes of Carryover |
動物購入数および飼育期間が当初の予定より少ない状態で実験を遂行したため(期間中の骨折や死亡症例がなかったことによる),今年度,動物数を追加して,同期間での検討を予定している。
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Research Products
(3 results)