2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11602
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
篠原 義憲 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (00423533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧平 清超 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80304450) [Withdrawn]
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / ヘルトビッヒ上皮遺残細胞 / 歯小嚢細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタ智歯歯根部より採取した細胞群は、上皮様細胞および間葉系細胞から成り、LHC-9上皮選択無血清培地により選択培養した。これらの細胞に磁性ナノ粒子を取り込ませ、電子顕微鏡にて粒子の取り込みを観察した。また間葉系細胞をD-MEM培地にて培養増殖させ、上皮様細胞同様に磁性ナノ粒子の取り込みを行い、電子顕微鏡により粒子の取り込みを観察した。両者ともに細胞質中にナノ粒子の存在を確認した。このことから、ポリリジンにより極性化した表面性状をもつ磁性ナノ粒子はエンドサイトーシスにより細胞質内に取り込まれたことが示唆された。 さらにナノ粒子を取り込んだ両細胞群に各々磁力の負荷をさせ細胞シート様構造体の作製に成功した。 エナメル上皮様細胞シートのリアルタイムRT-PCR法による特異的遺伝子発現解析の結果、エナメル上皮特異的遺伝子であるアメロジェニン、エナメリン、アメロブラスチンの発現がコントロール群(磁力を負荷していないシート様構造を持たない群)よりも有意に強かった。またせめんと間葉系細胞ではRUNX2、DSPP、1型コラーゲンといった歯胚間葉特異的遺伝子の発現が上皮様細胞同様にコントロール群(磁力を負荷していないシート様構造を持たない群)よりも有意に強かった。このことから、磁力により細胞同士が物理的に密着することで、細胞間相互作用を誘導し、形成された上皮様および間葉系細胞シート様構造体は歯胚特異的遺伝子群の発現が強くなったと考えられる。 さらにこのシート様構造体をin vitroにおいて、ヌードラット大網組織に1ヶ月間移植し硬組織再生を試みた。形成された組織の組織学的解析により骨様組織の再生を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroにおけるエナメルシート様構造体の再生は認められたが、このシート様構造体を重層化し移植に耐え得る十分な強度の移植体作製の条件に至っていない。現在この条件検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
エナメルシート様構造体の移植体はラット体内において骨様あるいは線維組織様物を形成し歯牙様組織の再生に至らなかったため、更なる移植条件の検討が必要と考えられる。
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Causes of Carryover |
研究進行状況の遅れにより最終的な成果報告が遅れており、成果報告のための情報収集や学会発表のための学会参加に使用する予定である。
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