2019 Fiscal Year Annual Research Report
Regeneration of Cementum applied by Magnetic Nanoparticles
Project/Area Number |
16K11602
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
篠原 義憲 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (00423533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧平 清超 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80304450) [Withdrawn]
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会において8020運動は成果を挙げているが、依然としてう蝕や歯周病などによる歯や歯質欠損によって生活の質(QOL)が低下している高齢者は多い。いわゆる歯科補綴治療によって高齢者のQOLの向上はある程度は達成されているが、社会の成熟とともに、歯科補綴治療のゴールは従来からの単に欠損部外観の回復や機能回復のみならず、より高いレベルでの咬合維持や口腔諸組織の長期保全に加え、高次元での審美性の回復が求められている。それら理想的な歯科補綴治療を達成するのが、組織工学技術により再生した歯・歯周組織を従来の歯科医療に応用することであると考えている。 歯のエナメル質、象牙質、歯髄組織を同時に再生することは課題が多い。そこで、最近はこれまでの技術と経験を生かして、歯を構成する組織の個々の再生に取り組み、特にエナメル質の再生に関して成果を挙げている。本申請課題では、セメント質再生に関わる歯の幹細胞に磁性ナノ粒子を応用した新規の細胞配列技術を用いて、強固な上皮-間葉相互作用を誘導させ、セメント質の再生とインプラント補綴治療への応用を試みた。 培養セメント芽細胞および象牙芽細胞を組織吸収性メンブレンに播種し、各メンブレンを積層することで細胞間相互作用を起こすような細胞ブロックを作製することに成功した。しかしながら、これらのブロックをヌードラットに移植し、再生した組織はエナメル質、象牙質および歯髄から構成される歯牙様構造を有するものの、歯根部象牙質やセメント質および歯根膜といった組織再生は認められなかった。 今後さらに様々な細胞間に介在させるメンブレンや培養に用いる接着性蛋白質を用いて細胞増殖能・遺伝子発現解析、in vivoにおける移植条件の検証を行う必要があると考えられる。
|