2016 Fiscal Year Research-status Report
糖代謝を標的としたMRONJに対する分子医学的病態制御ストラテジーの確立
Project/Area Number |
16K11607
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
柄 慎太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20759386)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRONJ / 糖代謝 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦において人口の急速な高齢化に伴い,インプラント治療患者の骨粗鬆症罹患率も大幅に増加している.わが国においては,現時点で1300 万人と推測されている.また,糖尿病は,骨質劣化型の骨粗鬆症を合併しやすい.これらに対し,ビスホスホネート製剤,デノスマブといった治療薬で高い治療効果を得ている.一方で,インプラント埋入手術といった歯科治療を契機とした顎骨壊死(Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw, MRONJ)が問題とされている.大きなリスク因子となっているが,発症機序については明確でなく,また骨粗鬆症治療薬服用中の積極的な予防法は確立されていないのが現状である. そこで本研究ではインプラント埋入手術を想定し,糖代謝改善効果を持つ薬剤の,原発性,また,糖尿病を起因とした続発性骨粗鬆症に対する影響を明らかにし,MRONJの病態制御ストラテジーの確立を目的とした. 本年ではまず,骨粗鬆症治療薬投与により影響が及ぶ可能性が高いと考えられる糖代謝に関連する血液成分,ホルモン,代謝活性,組織の評価を行った.それぞれ作用機序の異なる糖代謝改善効果を持つ薬剤(メトホルミン,エクセンディンⅣ,オステオカルシン)を投与することで,血中インスリン濃度,血中アディポネクチン濃度や膵臓β細胞の大きさなど,各種変化の検証を目的とした.いくつかの投与群では血中アディポネクチン濃度の増加傾向が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はMRONJモデルラットの口腔内に対してラウンドバーによって侵襲を与える予定であったが,無侵襲での血液,ホルモンおよび組織の評価となった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はインプラント埋入手術を想定し口腔内への侵襲を行ったモデルラットに対し,糖代謝改善効果薬投与の有無による顎骨壊死の検証する.
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[Book] 歯科医療2016
Author(s)
正木千尋,柄慎太郎,田村暁子,細川隆司
Total Pages
144
Publisher
第一歯科出版