2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establish of molecullar biological strategy to MRONJ by glucose metabolism
Project/Area Number |
16K11607
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
柄 慎太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20759386)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 糖代謝 / MRONJ / 骨粗鬆症 / 歯科インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスフォスフォネート(BP)製剤投与中の骨粗鬆症治療患者に対して行われる歯科治療を発端としたMRONJが大きな問題となっている.一方で糖尿病治療薬であるインスリンやメトホルミンが骨形成を促進することが報告されるなど,骨代謝と全身の糖代謝に密接な関連があることが近年明らかとなってきた.そこで糖尿病治療薬を用いてBP製剤による抜歯後の顎骨治癒遅延に対する効果を明らかにすることを目的とした. Wistarラットを用いて,生理食塩水を投与したコントロール群(Con),BP製剤であるゾレドロン酸とデキサメタゾンを投与したMRONJ誘発群(ZD),ZD群に糖尿病治療薬を投与したインスリン群(Ins)およびメトホルミン群(Met)を作成した.投与開始2週間後に上顎右側第1臼歯を抜歯し,さらに4週間後安楽死させた.採取した上顎骨サンプルに対してμCTによる抜歯窩の3次元的構造評価,抜歯窩の壊死骨の範囲および破骨細胞の組織形態学的評価を行った. 3次元的構造評価でIns,Met群はZD群と比較して抜歯窩の有意な治癒改善を認めた.壊死骨の面積はIns,Met群でZD群と比較して有意に減少し,Con群と同等まで顎骨の治癒が改善した.破骨細胞数はCon群と比較して、ZD群で有意な増加を認めた. BP製剤投与によって生じた抜歯窩の創傷治癒遅延に対して,糖尿病治療薬は骨代謝に影響を与え,創傷治癒を促進する効果を示した.以上のことより抜歯やインプラント治療におけるMRONJ発症のリスクを薬物療法でコントロールできる可能性が示唆された.
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