2018 Fiscal Year Annual Research Report
Strategy Foundation of Preemptive medicine for peri-implantitis
Project/Area Number |
16K11617
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田口 洋一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (60434792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 哲次 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (70186394)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インプラント / 光線力学療法 / Light Emitting Diode |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト歯根膜幹細胞は高い増殖能と骨芽細胞分化能を持っており,歯周組織再生で重要な働きをすることが分かっている.今までヒト歯根膜幹細胞の増殖や硬組織分化能に対するLED照射の影響の報告がほとんどない.我々はLED照射を歯周組織再生に応用できないかと考え,LED照射のヒト歯根膜幹細胞の増殖能や硬組織分化能に対する影響を検討した.その結果,ヒト歯根膜幹細胞は,LED照射によってERK 1/2経路を介して増殖および硬組織分化を助長することが示唆された. インプラント周囲炎を模倣して,ヒト骨芽細胞においても増殖能と硬組織分化能に対するLED照射の影響について検討した。ヒト骨髄間葉系幹細胞は短時間で照射エネルギー量を得ることができる同様のLEDを用いて,照射時間を変えることでエネルギー量を調節(0, 2, 4, 6, 8 J/cm2)し照射した. その結果, LED照射群で細胞増殖が有意に促進され、6 J/cm2の照射で最も有意に促進された. また硬組織分化能も細胞増殖の結果と同様にLED照射群で硬組織分化能を示すALP活性や石灰化物形成が有意に促進され, 6 J/cm2の照射で最も有意に促進された. したがって, 高出力赤色LEDはヒト歯根膜幹細胞同様,骨髄間葉系細胞の細胞増殖と硬組織分化を促進することによって新生骨形成を促すことが示唆された. これらの実験結果は高出力赤色LEDが顎骨再生の新たな医療デバイスとしての可能性を示している. さらに, 歯周治療の領域やjavascript:onModoru();インプラント周囲骨増生だけでなく口腔外科領域における顎骨再建にも有効なツールになる可能性が示唆される. しかし, 我々が用いた高出力赤色LEDは照射エネルギー量依存的に細胞毒性が認められるという結果も得ており, 照射エネルギー量の検討や様々な処置における至適条件について,今後の臨床応用へ向けた課題であると考えられる.
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Research Products
(8 results)