2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of neural oscillation related to swallowing and improvement of the swallow function with tACS
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16K11621
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前澤 仁志 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80567727)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 摂食嚥下 / tDCS / ニューロモデュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食嚥下機能は外界から栄養を取り入れるための生命維持に不可欠な機能であるだけでなく、“食の楽しみ”など生活の質(QOL)の向上にも密接に関与している。舌運動はヒトの摂食嚥下に不可欠な運動機能である。本研究課題では全頭型脳磁図計測装置を用いて舌随意運動を行う際の大脳皮質の時間空間情報処理機構を明らかにした。脳磁場反応は両側半球に認められ、運動磁場と運動誘発磁場の2つのコンポーネントを検出した。運動磁場は運動野由来で主に運動出力に関与しており、運動誘発磁場は体性感覚野由来で主に感覚性フィードバックに関与していることが示唆された(Maezawa et al, 2017)。さらに、脳磁図を用いた舌感覚運動機能の中枢制御に関する英文総説を出版した(Maezawa, 2017)。論文では、舌電気刺激体性感覚誘発脳磁場反応、舌運動関連脳磁場反応、舌運動時の脳―筋コヒーレンス解析に関する最新の知見をまとめた。また、最終年度にはライプニッツ研究所(ドイツ)で舌運動野への経頭蓋電流刺激による舌運動野可塑性変化ならびに舌運動機能向上に関する研究を行った。摂食嚥下障害はQOLの低下を引き起こすだけでなく誤嚥性肺炎の原因となるため、超高齢化社会を迎えている日本では社会問題となっている。得られた研究成果は摂食嚥下機能の中枢制御機構解明ならびに嚥下機能向上に結びつく成果である。今後、摂食嚥下障害を有する患者への臨床応用につなげることを検討している。
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