2016 Fiscal Year Research-status Report
次世代型生体吸収性ハイドロキシアパタイト表面被覆Mg合金の骨内変化に関する研究
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16K11651
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野添 悦郎 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (40208351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣本 祥子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 腐食特性グループ, 主幹研究員 (00343880)
花田 幸太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門素形材加工研究グループ, 上級主任研究員 (00357790)
岐部 俊郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (50635480)
久米 健一 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (60650067)
嶋 香織 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10343526)
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生体材料 / 生体吸収性材料 / マグネシウム合金 / ハイドロキシアパタイト被膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
マグネシウム(Mg)は生体必須元素であり生体内で腐食(溶解)・吸収され、またMg合金はその性状が骨の弾性と類似する特性を有する。そのため、20世紀初頭より生体内吸収性材料として注目されていたが、近年再びMg合金の組成の改良ならびに金属表面への被覆処理法の開発により、生体吸収性医療用材料としての開発研究が行われている。本研究はMg合金を歯科インプラント治療における骨増生術や骨接合材に利用することを目指して、申請者らが開発・加工した次世代型生体吸収性ハイドロキシアパタイト(HA)被覆Mg(HA-Mg)合金の骨内および骨周囲におけるHA-Mg合金の強度、腐食(溶解)の様相の経時的な変化ならびに骨修復への効果を検証し、現在主に用いられているポリL乳酸製やチタン製の骨接合材に置き換わる次世代生体吸収性デバイスの開発を目指すことを目的とする。 平成28年度、純Mgおよび4種のMg合金を用いて、5種金属と同金属にハイドロキシアパタイト被膜処理を行った金属を、ラット大腿骨左右にそれぞれ埋入した(計10匹)。現在、生体内での金属の腐食吸収の状況について、定期的なX線撮影により観察を行っている。5種類の金属の腐食・吸収の状況に応じて、試料を採取する予定のため、現在金属ごとの腐食・吸収の時期を検索している。今後、各金属における試料採取時期の決定を行ったのち、それぞれのタイミングで試料を採取するためのラットへの金属の埋入を行い、各時期における試料の強度実験、重量計測、腐食観察及び骨・軟組織評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験の遂行にあたり、X線撮影装置の故障や経時的なマイクロCT撮影の不可などが生じ、計画の変更を余儀なくされたが、他の装置を用いることで対応している。 また、予想していたよりもMg合金の腐食・吸収が遅く、金属の腐食・吸収途中での試料採取の時期が決定できず、予定しているラットへの金属埋入を留保している状況であるが、間もなく予定している金属埋入を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、金属の腐食・吸収の程度に応じた時期に、試料を採取し、組織標本作製ならびに金属性状の検索を行い、生体吸収材料として適したMg合金の選定を行い、生体使用を目的としたプレート、スクリューの実験を予定している。
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Causes of Carryover |
当初予定していた組織標本作製を行うに至らず、その費用を使用しない状況となったため、研究経費の繰り越しを行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
組織標本作製費用が、次年度に120万円想定しており、研究遂行によって予算消化する予定である。
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