2018 Fiscal Year Annual Research Report
Embryotoxicity of titanium alloy implant composition metal by mouse ES / iPS cells
Project/Area Number |
16K11668
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
今井 弘一 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103100)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | チタン / チタン合金 / 発生毒性 / in vitro / EST法 / インプラント / 表面処理 / フッ化水素酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の通り,市販チタン合金表面を鏡面研磨し,中性洗剤でで洗浄後に蒸留水で洗浄しオートクレーブ滅菌した.ダイヤモンドポイントでチタン合金板表面を研削し,研削粉100mgに10%フッ化水素酸を5mL加えて24時間浸漬した.フッ化水素酸を抜き,腐食した研削粉を蒸留水で2回洗浄した.腐食研削粉を培養液10mLに入れ37℃で4日間静置浸漬し濾過滅菌し各培養液に倍数希釈して試験液を製作した.さらに、円板状のチタン合金についても過酸化水素水を用いて表面処理した後にフッ化水素酸を行ってEST法を用いて発生毒性レベルのパラメータであるID50値ならびにIC50値で検討した.また,細胞分化によって形成されたテラトーマ内の拍動観察と,ES細胞分化検出キットでアルカリホスファターゼ染色によって細胞分化への影響も調べた.研削粉,板状合金ともに無処理のチタン合金を使用した陰性対照と比べてフッ化物処理群では,マウス由来の3T3細胞を含む今回使用した全ての細胞でMTT法による細胞生存率の低下が認められたが,細胞分化については,ES-D3細胞ではEST法のエンドポイントである心筋鼓動についての顕著な抑制は観察できなかった.さらにマウスiPS細胞もEST法に準じて同様の細胞分化によって生じたテラトーマ内で心筋細胞に分化して鼓動を観察することも行ったが,ES-D3細胞同様に鼓動発生率を顕著に抑制している状態は観察できなかった.なお,ES-D3細胞,マウス由来のiPS細胞共に無処理のチタン合金を使用した陰性対照と比べてアルカリフォスファターゼ活性に有意差が認められなかったが鼓動発生率は低下した.今回の実験条件はインプラント体について実際の使用環境条件を大幅に超えた過酷な実験条件であったが,発生毒性の存在は明確に確認できなかった.
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Research Products
(5 results)