2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11685
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水田 邦子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (40432679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛梅 圭 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 准教授 (40350037)
久保薗 和美 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (80750132) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | TMEM16E / ANO5 / ノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
顎骨骨幹異形成症(GDD)は顎骨と四肢長管骨の病変を特徴とする常染色体優性遺伝の骨系統疾患である。その疾患責任遺伝子として同定されたTMEM16E遺伝子は、常染色体劣性遺伝する筋ジストロフィーの原因遺伝子であることが次いで見出された。 TMEM16E遺伝子産物の生化学的機能やその変異により引き起こされる病態の発症メカニズムは、未だ明らかにされていない。本研究は、TMEM16E遺伝子の機能および生理的役割を解明することを目的とし、TMEM16Eノックアウトマウスおよびノックインマウスを作製し、疾患モデルの確立に努めてきた。 本年度の研究計画では、TMEM16Eノックアウトマウスおよびノックインマウスの繁殖・系統維持および表現型解析を行い、疾患モデルマウスとして病態の発生機序について詳細な検討を行った。さらに、TMEM16Eを特異的・高感度に認識する抗体を広く検索し、その特異性について評価するための解析を進めている。 これまでの研究成果から、TMEM16Eに機能獲得型変異がおこると蛋白の安定性獲得による生理機能発揮がGDDを発症させ、機能喪失型変異により筋疾患が発症することが予想される。TMEM16Eの活性制御が骨・筋肉の分化および代謝に重要な機能を果たしていることは明らかで、疾患モデルマウスの解析を進めていくことが、遺伝性疾患の発症機構の解明に直接的に結びつくものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに作製したTMEM16Eノックアウトマウスおよび顎骨骨幹異形成症罹患者のTMEM16E遺伝子でみられるアミノ酸変異を再現したノックインマウス(顎骨骨幹異形成症モデルマウス)の繁殖・系統維持と表現型解析を行ってきた。しかしながら、TMEM16Eの内在性タンパクの顕著な不安定性とTMEM16Eを特異的・高感度に認識する抗体がないことから研究の進行に遅れをとっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、疾患モデル動物(ノックアウトマウスおよびノックインマウス)の繁殖・系統維持とその解析を行う。また、疾患発症の分子機構についてin vivo解析で得られた成果をin vitroに還元しながら生化学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)マウスの繁殖・系統維持に時間を要したことから、予定していた表現型解析が滞り、若干の次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度使用額はノックアウトおよびノックインマウスの繁殖・系統維持・解析に使用する。
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