2017 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム取り込みを標的とする口腔癌治療薬の探索
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16K11688
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
仙頭 慎哉 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30635264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (40363288)
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エクソソーム / マイクロピノサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】癌細胞が分泌するエクソソームは、癌細胞自身に取り込まれ、エクソソーム内包物質を介して下流のシグナルを活性化し、癌の発育・進展を促進することが知られているが、エクソソームの細胞への取り込み機構は十分に解明されていない。そこで、口腔扁平上皮癌細胞において、EGFなどの成長因子により誘導されるアクチン依存性マクロピノサイトーシスによるエクソソームの取り込みの関与を明らかにするとともに、EGFR標的薬により癌細胞へのエクソソームの取り込みが阻害されるか検討した。 【材料および方法】OSC-4由来エクソソームをPKH26で標識後、培養液に添加し、EGFR標的薬のエルロチニブ、セツキシマブ、さらに、マクロピノサイトーシス阻害剤EIPAの存在および非存在下でOSC-4を培養した後、共焦点顕微鏡およびフローサイトメトリー法にてエクソソームのOSC-4への取り込みを評価した。 【結果】EGF処理によりエクソソームのOSC-4への取り込みは促進された。一方、エルロチニブ、セツキシマブおよびEIPAはいずれもエクソソームのOSC-4への取り込みを経時的に抑制したが、その効果はエルロチニブでより顕著に認められた。OSC-4由来エクソソームによる腫瘍促進効果については、エクソソームは濃度依存的にOSC-4細胞の増殖・遊走・浸潤を促進したが、EIPAおよびEGFR阻害剤はエクソソーム非存在下においてもOSC-4細胞の増殖・遊走・浸潤を抑制し、エクソソーム処理により誘導される各促進作用も抑制した。 【考察】以上のことより、OSC細胞はEGF誘導性マクロピノサイトーシスを介してエクソソームを取り込むが、EGFR標的薬はこの作用を阻害することが明らかとなった。このエクソソーム取り込み阻害による癌の発育・進展阻止の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた実験は遂行できたため
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoの系で、エクソソーム取り込み阻害剤が腫瘍の成長や転移を抑制するか検証する。
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Research Products
(1 results)