2018 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋腱・腱膜過形成症の病態解明に向けた遺伝的および環境的要因の解析
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16K11699
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
依田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60242210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 咀嚼筋腱・腱膜過形成症 / メカニカルストレス / yes-associated protein / CRYBA4 / エストロゲン / Scleraxis / Tenomodulin |
Outline of Annual Research Achievements |
手術により採取し、-80℃にて保存した咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の側頭筋腱、顎変形症患者の側頭筋腱について、次世代シーケンサーを用いた網羅的解析を行った。現在解析中である。 一方で、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の側頭筋腱において、腱に豊富に存在するデコリンの発現を調べた。咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者と顎変形症患者の腱組織を採取した。それぞれの組織について免疫染色を行ったところ、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の側頭筋腱組織において有意にタンパク質発現の上昇が認められた。次に、腱細胞において反復性伸展刺激がデコリン発現に与える影響及び,デコリン発現がyes-associated protein (YAP)シグナルによって調節されているかどうかをin vitroで検討した。腱細胞株はTT-D6細胞を用いた。TT-D6細胞に対してFlexcell社FX-3000による反復性伸展刺激を48時間行った。細胞を回収してRNAを抽出し、リアルタイムPCR法にて遺伝子発現を調べたところ、デコリン発現が有意に増加していた。同様にタンパク質を抽出してwestern blotting法を行ったところ、デコリン発現が有意に増加していた。また、YAPのsiRNAを導入したTT-D6細胞についてデコリン発現を調べたところ、mRNAおよびタンパク質レベルでデコリン発現が抑制されていた。さらに、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者と顎変形症患者の腱組織から細胞を単離培養してRNAを抽出し、リアルタイムPCR法にて遺伝子発現を調べたところ、デコリン発現が有意に増加していた。 以上のことから、デコリン発現はYAPシグナルによって制御されていることが明らかとなった。咀嚼筋腱・腱膜過形成症の発症にはメカニカルストレスである反復性伸展刺激が関与している可能性が示唆された。以上の結果を論文にして投稿し受理された(掲載は来年度予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腱細胞における反復性伸展刺激によるシグナル伝達機構の解析についてすすめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例については引き続き収集する。今後、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者と顎変形症患者の腱組織の検体について、次世代シーケンサーを用いて遺伝子網羅的発現解析をすすめる。また、サル腱細胞に対するメカニカルストレス負荷の実験について次世代シーケンサーを用いて遺伝子網羅的発現解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
生化学関係の消耗品が必要と見込んだ金額よりも少なく済んだため。
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Research Products
(1 results)