2019 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋腱・腱膜過形成症の病態解明に向けた遺伝的および環境的要因の解析
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16K11699
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
依田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60242210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 顎関節 / 咀嚼筋 / 腱 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術により採取し、-80℃にて保存した咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の側頭筋腱、顎変形症患者の側頭筋腱について、次世代シーケンサーを用いた網羅的解析を行った。 RNAシーケンスの結果、検出された19,767遺伝子のうち、対照群と比較し2,471遺伝子の発現量が有意に多く、2,849遺伝子の発現が有意に少なかった。これらの遺伝子を用いて階層的クラスタリング解析を行ったところ、疾患群は疾患群で、対照群は対照群で同様の発現の傾向を示し、疾患群と対照群との間で大きな相違があることが観察された。さらに、疾患群の中では特に年齢の離れた検体が疾患群の他の疾患群の検体と比較して類似性の低さは示さなかった。また、有意な発現変動を認めなかった14,447遺伝子の中にはMYH1、 MYH2、 MYH4といった遺伝子が含まれていた。 咀嚼筋腱・腱膜過形成症では、筋や腱に異常習癖によるメカニカルローディングがかかると考えられるが、解析した遺伝子のうちメカニカルローディングに関わる遺伝子群として、ANKRD2、 TNNT1、 MYH7がある。咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者1名及び顎変形症患者1名についてANKRD2、 TNNT1、 MYH7のタンパク発現を調べたところ、 対照群と比較し疾患群において3種類のタンパク発現が多いことが確認できた。 また、免疫組織化学的評価を行ったところ、MYH7は強い染色強度を示し、顎変形症患者と比較して、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の腱組織での発現が高いことが確認できた。以上の結果を論文として執筆中である。 さらに、現在、京都大学霊長類研究所および自然科学研究機構生理学研究所との共同研究により、サル腱細胞に対するメカニカルストレス負荷の実験について次世代シーケンサーを用いて遺伝子網羅的発現解析をすすめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
20年度が最終年度のため記入しない
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Strategy for Future Research Activity |
20年度が最終年度のため記入しない
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