2016 Fiscal Year Research-status Report
混酸・加熱処理と選択的レーザー溶融法を応用した次世代骨誘導チタンメッシュの創成
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16K11712
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雄一 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (10530701)
中島 世市郎 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10720691)
山口 誠二 中部大学, 生命健康科学部, 助教 (50726198)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨再生 / 積層造形 / チタン人工骨 / 混酸・加熱処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
この課題では、生体に親和性の高いチタンを自由に造形できる積層造形法Selective Laser Melting法により自由造形を行ったチタン人工骨に生体活性処理を施し骨欠損部への埋め込み型の全く新しい骨再生技術を確立し、実用化するためにこの研究を行った。実施した内容は:SDラットの頭蓋骨骨欠損モデルを使用して人工的な骨欠損(円形 径7mm)を作製し、積層造形法で作製した純チタン性膜を作製し、下記の5つの処理を施し、生体活性チタン膜を作製し、メッシュ膜で骨欠損部を被覆しスクリュー固定を行い、1)NaOH加熱処理 (n=15) 2) NaOH・HCl・加熱処理 (n=15) 3) NaOH・CaCl2・加熱・温水 (n=15) 4) 混酸・加熱 (n=15) 5) 無処理 (n=15)埋植から、2、4、7週目に摘出し、マイクロCTを用いた画像解析、および非脱灰切片の組織学的観察を行い、骨形成の評価を行った。結果、混酸・加熱処理群でもっとも高い骨形成能が観察された(右図)。全群においてチタン膜周囲の炎症性反応、骨欠損部よりのチタン膜の逸脱など不具合は認めなかった。これらの結果から、造形純チタン人工骨においては混酸・混酸・加熱処理がもっとも高い骨形成能を示したことを証明した。この研究において1)造形チタンが高い生体親和性を持つこと、2)生体活性処理の種類による骨形成能の経時的変化をin vivoで解明した。これまでに生体内で造形チタンに化学処理を施し比較検証した報告はなく、きわめて新規性が高い結果である。さらに、この結果から、造形チタンに生体活性処理を施すことで生体適合性、強度、高い骨形成能が確認され、今後の造形チタン人工骨の実現にむけた貴重な成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
混酸・加熱処理による骨形成が、従来のチタン表面処理の骨形成能を大きく上回ることが証明できた。この結果、新規の人工骨開発への根拠が示せ、論文などの成果報告を早められる。 また積層造形チタンが、生体内で感染などの有害事象を引き起こさないことが明らかとなり、今後の臨床応用の礎となる成果が研究初期に確認できた。 この2つが大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、初期の2週間で混酸・加熱処理群が骨形成が促進された理由を組織学的手法を用いて解明する。特に、骨芽細胞、破骨細胞動態について、摘出組織の術後早期での細胞動態やアパタイトなどの結晶蓄積を観察し、早期骨形成の科学的根拠を探索する。平行して積層造形チタンの実際の骨欠損ぶへの適合状態などの確認を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Clinical analysis of surgical guide plate to provide bone suitability in mandibular reconstruction.2016
Author(s)
Yoichiro Nakajima, Takaaki Ueno, Nahoko-Kato-Kogoe, Kayoko Yamamoto, NozomuFukui, Yoshifumi Suwa, Yoshihiro Kimura, Yuichi Ito, Yasuko Takahashi, Miwa Kanou, Haruhiko Terai, Tomoyuki Tano, Yasunori Ariyoshi.
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Journal Title
J Oral Tissue Engin
Volume: 14
Pages: 51-58
Peer Reviewed / Open Access
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