2017 Fiscal Year Research-status Report
混酸・加熱処理と選択的レーザー溶融法を応用した次世代骨誘導チタンメッシュの創成
Project/Area Number |
16K11712
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雄一 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (10530701)
中島 世市郎 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10720691)
山口 誠二 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (50726198)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨再生 / 積層造形 / チタン人工骨 / 混酸加熱処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、腫瘍や外傷などで喪失した骨組織の再建材料として「顎顔面領域における再建用医療機器」の開発を積層造形技術を用いて進めている。これまでに、選択的レーザー溶融法による純チタン粒子からの自由造形の作製に成功しラットなどの小動物の骨欠損での基礎研究を行ってきた。この申請課題では、積層造形チタン人工骨の、機械的強度や生体内安全性を動物実験にて行っていき早期の実用化を目指している。 過去に多くの臓器再生の研究がなされてきた。その中で最も重要であり解決されていない課題として再生する目的臓器の「形態制御」、つまり様々な形態を持つ欠損臓器を個々の個体に合わせて作製することが挙げられる。申請者らは、大阪医科大学の強みである「枠組みを超えた研究」として積層造形技術を応用し、立体的自由造形を、生体親和性の最も高いマテリアルであるチタンを用いて完成し、かつ、世界で初めて積層造形チタンに化学処理を施し、化学処理チタン人工骨の骨形成能促進効果を証明した(2016-2017年:本学研究拠点育成症例助成、2016年硬組織再生生物学会学会賞、橋渡し加速研究基盤事業シーズB)。 また、並行して積層造形チタンメッシュ人工骨を病院倫理委員会の承認を得て顎骨骨欠損再建に使用し、現在まで10例の患者に使用し最長19か月の長期間の安定した臨床結果を得ている(第72回日本口腔科学会発表)。そしてこれらの研究成果をもとに国内での医療機器承認を得るため日本医薬品機構PMDAのRS戦略相談を実施し今後の具体的な研究目標として生体内での機械的強度、人工骨作製過程における機器・素材の選定、販売ルート確保などの構築の指示を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
積層造形技術を応用し、立体的自由造形を、生体親和性の最も高いマテリアルであるチタンを用いて完成し、かつ、世界で初めて積層造形チタンに化学処理を施し、化学処理チタン人工骨の骨形成能促進効果を証明することができた。並行して積層造形チタンメッシュ人工骨の臨床応用を開始することができた。したがって,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの臨床研究成果の蓄積とPMDAの意見を反映して実用化に向けた基礎的研究を行う。臨床研究については、骨形成のCT画像による評価に加えて有害事象の発生について2015年経産省ガイドラインに従い検証を行う(対象患者:外科手術の禁忌とならない成人、歯科口腔外科手術に際して骨造成が必要な患者で同意が得られた者として創部の炎症の有無、マテリアルの露出など安全性の観察)。 基礎研究においては、ラット頭蓋骨骨欠損モデルを用いて骨欠損部に積層造形チタン人工骨埋植を行う。埋植後4,8,16週後にラット頭蓋骨摘出を行い、マイクロCTにてX線学的観察を行う。その後に、頭蓋骨の機械的強度を評価し、各種処理法の形成骨の強度を比較する。また強度試験後は、チタン人工骨・形成骨の状態を非脱灰研磨標本作製し、トルイジンブルー染色を行い骨・チタンの結合状態を比較検証する。
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Research Products
(17 results)